ジミー・バトラー

写真=Getty Images

強力な先発陣を擁するが、内部分裂する危険性も

昨シーズン14年ぶりにプレーオフ進出を果たし、万年下位の『ドアマットチーム』から脱却したティンバーウルブズ。ジミー・バトラー、カール・アンソニー・タウンズ、アンドリュー・ウィギンズが中心のチームは2年目を迎え、2018-19シーズンは西カンファレンスの上位争いを盛り上げると予想されている。

新シーズン開幕を2カ月後に控えた今、チームのステップアップを予言するかのような自然現象も起こり、ウルブズは早くも期待に胸を膨らませている。

これを吉兆と言い切るのに無理があることは、ウルブズも百も承知だ。球団初優勝を達成するには、王者ウォリアーズ、ロケッツ、レイカーズ、サンダーら強豪ひしめく西カンファレンスで年間82試合という長丁場を戦い抜き、さらにプレーオフでも16勝を挙げなければならない。しかし、彼らは14年間も下位に低迷し続けた球団であり、神頼みしたくなる気持ちだって理解できる。

強力な先発陣を擁するウルブズにとって最大の問題になり得るのは、チームケミストリーだ。このオフには、バトラーがタウンズとウィギンズの姿勢に関して快く思っていない、という噂が広がり、内部分裂を起こす危険性も指摘されている。しかもバトラーは、オフにウルブズから提示された4年1億1000万ドル(約123億円)という巨額の延長契約オファーを断った。この行動が意味することは、今シーズン終了後にプレーヤーオプションを行使しフリーエージェントになってさらに高額な契約を希望しているか、それともウルブズで長期プレーするビジョンを描いていないかのどちらかだ。

空に現れた狼雲が意味するのは、ウルブズの躍進か、それとも崩壊か。その答えは、神のみぞ知る。