ビッグラインナップ対策を切り崩す、セカンドユニットの一撃
チャンピオンシップのクォーターファイナル、川崎ブレイブサンダースは敵地に乗り込んで大阪エヴェッサと対戦。大事な初戦で攻守に見事なパフォーマンスを見せ、95-75で勝利した。試合のカギとなったのは、大阪の『走るバスケ』を徹底して封じるゲーム運び、そしてコートに立った11選手がそれぞれの役割を果たしたことだ。
佐藤賢次ヘッドコーチは試合後の会見で、「トランジションオフェンスがリーグNo.1の得点効率なので、とにかくそこを警戒して準備してきました。明日も同じように切り替えは非常に早いと思うので、そこだけは絶対にやらせないようにしたい」と、相手への対策がハマったことへの手応えを語る。
ただ、相手のトランジションを封じて試合の主導権を握りながらもリードがなかなか広がらない、精神的には決して楽ではない時間帯も長かった。大阪も川崎のビッグラインナップへの対策は打ってきた。フットワークがありリーチの長いニュービルがジョーダン・ヒースをマークし、運動量のあるアイラ・ブラウンがニック・ファジーカスがコートのどこに移動しても貼り付く。チェンジングのゾーンも織り交ぜて、簡単には攻めさせなかった。
その状況で、ベンチから出る攻めの切り札として効果的な働きを見せたのが大塚裕土だ。ビッグマンへ合わせる、パワフルだが展開が遅くなりがちな川崎の攻めに、シックスマンの彼がアクセントを加えた。大塚はプレータイムこそ短いものの、繋ぎの役割ではなく自分が打つセットプレーで決める役割を与えられ、12分の出場で12得点と見事に応えた。
「最初ビッグラインナップで重くなった時間帯もありましたが、メンバーが代わった後に引きずらずにしっかりとカバーができた。相手がマッチアップを変えてビッグラインナップの対策もしてきているので、明日の試合でもセカンドユニットが流れを変える働きをできればいい」と大塚は語った。
「天皇杯の時にも言いましたが、無観客とはいえども会場の雰囲気というものはあるので『流れを持ってくるのは大塚裕土だ』と言ってもらえるように明日も頑張ります」
ワンプレーで試合の流れを変える大塚は、チャンピオンシップのような大舞台でこそ輝く。
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