ファイティングイーグルス名古屋は越谷に逆転勝利
B2のプレーオフが今日からスタートした。東地区4位の仙台89ERSは、西地区首位の西宮ストークスと対戦。劇的すぎる展開の末に、渡辺翔太の逆転ブザービーターで仙台が貴重な先勝を手にした。
立ち上がりから仙台は外国籍選手へのディフェンスが効き、第1クォーターの失点を9に抑えて主導権を握った。第3クォーター途中で最大リード14を奪い、58-48と2桁の点差をキープして最終クォーターを迎える。ところが、オフェンスを売りに40勝18敗と好成績を残した西宮の爆発力がここで出る。前から猛烈なプレッシャーを掛けて仙台のパスワークを断ち切り、ボールを奪えばリムまで一直線に攻め立てた。気持ちを前面に押し出すプレーが仙台のリズムを狂わせる。
残り6分半、西宮が5点差まで追い上げたところで、得点源のデクアン・ジョーンズがファウルを取ってもらえないことに怒り、審判に暴言を吐いたことで退場に。ただ、それでも西宮の勢いは落ちない。愚直なまでにアタックし続けることで仙台を受け身に回らせ、ジョーンズの退場から1分後には鎌田裕也を、さらに残り3分46秒にはダニエル・ミラーを5ファウルでコートから追い出した。
残り1分を切って道原の3ポイントシュートで西宮が追い付く。インサイドアタック一辺倒の猛攻の中で道原が狙う3ポイントシュートをケアするのは難しく、道原は15得点のうち11得点、3ポイントシュート成功3本はすべてこの第4クォーターに集中させる勝負強さを見せた。
こうなると仙台にゲームコントロールの余裕はなく、西宮のペースに巻き込まれて応戦する形に。そんな苦しい状況で奮戦したのが渡辺翔太だ。ガードとして効果的なプレーができたとは言い難いが、西宮のインテンシティの高いプレーに飲み込まれるのではなく、それ以上のハッスルで外国籍選手とのマッチアップにも食らい付いていく。残り3秒、仙台は速攻を止めたフリースローで1点をリードされ、タイムアウトも残っておらずバックコートからのリスタートを強いられたが、素早く回したボールが最後に届いたのは渡辺のところだった。迷う暇どころか狙う時間もない中でクイックリリースしたシュートがリングに吸い込まれる。クロックとシュートリリースのタイミングを審判がビデオ確認するほど微妙だった得点が認められ、77-75で仙台が激闘を制した。
殊勲の渡辺は15得点3リバウンド6アシストという数字以上に、決勝ブザービーターだけでないクラッチタイムのビッグプレー連発でインパクトを残した。それでも彼は試合後、「味方がファウルアウトした後も、みんながインテンシティを落とさず戦えたこと」と語る。価値ある勝利を得て、仙台はBリーグ初年度以来となるB1を狙う。
今日行われたもう1試合も最後まで分からない混戦の末、第4クォーターに試合をひっくり返したファイティングイーグルス名古屋が73-70で越谷アルファーズに先勝している。明日は以下の4試合が行われる。
西宮ストークスvs仙台89ERS
茨城ロボッツvs佐賀バルーナーズ
ファイティングイーグルス名古屋vs越谷アルファーズ
群馬クレインサンダーズvs山形ワイヴァンズ