終盤の大事な時間帯もコートに立ち続ける
ラプターズがクリッパーズのホームに乗り込んだ一戦。渡邊雄太がキャリア2度目となる先発出場を果たした。
開始2分弱、積極的にオフェンスに参加する渡邊はフレッド・バンブリードからのパスを受け、迷わず3ポイントシュートを放ち最初のフィールドゴールを成功させた。残り4分にも3ポイントシュートを沈めて、上々のスタートを切った。
ディフェンスではポール・ジョージとのマッチアップを任された。3ポイントシュートを警戒しすぎてしまい、縦に割られてイージーなダンクを許すシーンもあったが、それ以外は軽快なフットワークで粘り強く守った。第1クォーター残り3分28秒、2点ビハインドの場面でマラカイ・フリンと交代しベンチへと退いたが、先発出場の役割を十分に果たした。
第2クォーター頭から出場した渡邊はマークマンだけに集中せずヘルプにも目を配るなど、その後も特にディフェンス面で安定したパフォーマンスを見せる。渡邊のヘルプによって、ラジョン・ロンドはパスの出しどころがなくなり、あわててトラベリングを犯す場面も。また、ドライブを仕掛けるマーカス・モリスに対しては、背後から腕を伸ばしてボールを弾きマイボールにした。
また、堅実なリバウンドも光り、ボールプッシュから速攻を成功させるバウンドパスを通すなどマルチに活躍。トップからディフェンスをかわし、フィニッシュまで持ち込んだシーンではイビツァ・ズバッツのブロックショットに遭ったが、少ないシュートチャンスの中で得点を取りにいく意思が感じられた。
渡邊の6得点5リバウンド2スティール1アシストの活躍もあり、54-48とリードして前半を終えた。後半もプレータイムを伸ばしたが、オフェンスに絡めずチームも同点に追いつかれた。最終クォーター残り4分39秒、1点リードの場面で再び渡邊に出番が訪れた。
ラプターズはバンブリードとシアカムを中心に、クリッパーズはジョージとモリスを中心に得点を奪い合い、拮抗した展開となった。渡邊はジョージに対してフェイスガードでしつこく守り、ジョージもこれを嫌がった。それでもジョージはスクリーンでマークを剥がし、渡邊以外のプレーヤーからフリースローを獲得して得点を重ねる。さらにジョージはバンブリードの3ポイントシュートをブロックした直後に、自ら3ポイントシュートを成功させ、シアカムからオフェンスファウルを誘発するなど、この終盤に攻守で決定的なプレーを連発した。
そして、ジョージがオフェンスファウルを獲得した次のポゼッションで、レジー・ジャクソンが3ポイントシュートを沈めて105-100となり、このままタイムアップを迎えた。
渡邊はプレータイムを30分まで伸ばしたが、後半はオフェンスにほとんど絡めず、数字に表れる活躍はできなかった。それでも、終盤に起用され、ジョージのマークを任されたことはヘッドコーチの信頼を得ているということ。オフェンスでのインパクト不足を解消し、さらにチームに欠かせない戦力となることに期待したい。