ラリー・バードの記録と並ぶ「想像もしていなかったこと」
現地4月30日にTDガーデンで行われたスパーズvsセルティックスの一戦は、32点差(33-65)からオーバータイムに持ち込んだセルティックスが143-140で勝利した。
第1クォーターを終えてスパーズが39-16と圧倒、さらに差を広げて前半を77-48で折り返し、プレーイン・トーナメントで優位を作るために1勝でも多く挙げたいスパーズの気持ちの強さばかりが目立つ展開となった。セルティックスとしては、ここで主力のプレータイムを制限して試合を投げ出してもおかしくなかったが、実際は逆のことが起きた。
攻守のインテンシティを強めて打ち合いに持ち込み、第3クォーターを42-26で上回ると、第4クォーター残り5分半に同点に追い付く。そこから点の取り合いで両チームとも一歩も引かず、128-128で試合はオーバータイムへ。ただ、勢いはセルティックスにあった。136-137で迎えたオーバータイム残り16.7秒にジェイレン・ブラウンがクラッチ3ポイントシュートを成功させると、その後はジェイソン・テイタムのフリースローで確実にリードを広げて勝利をモノにした。
テイタムは45分の出場で、フィールドゴール37本中20本を成功させ、17本ものフリースローを得て15本を決めている。積み上げた得点は60。キャリアハイを更新するとともに、ラリー・バードが記録した球団記録に並ぶ数字だ。
殊勲のテイタムはそれでも「全員が貢献した勝利だよ」と、総力を挙げての大逆転勝利を喜んだ。「今日の試合で何が最高だったかと言えば、大逆転できたことだ。JB(ブラウン)が終了直前にビッグショットを決めてくれたし、(マーカス)スマート、トリスタン(トンプソン)、アーロン(ネスミス)も素晴らしかった。チームの成長を示す試合だったと思う」
テイタムは、試合後のロッカールームで「60」と書かれた紙を持って記念撮影。「特別な夜になった」と、試合を振り返った。
「このチームのみんなとのプレーが楽しい。心から仲間の成功を喜んでくれるようなチームメートが揃っているんだ。僕らはお互いを称え合う間柄だ。その結束力で逆転勝利を収められたのだから、最高の夜になった」
セルティックスのレジェンドであるラリー・バードに並んだ感想についても、テイタムは「まだまだ若いし、自分のキャリアは長いけど、いつか彼の位置にたどり着きたい」と答えている。
「どうコメントするのがいいのか分からないけど、バードはバスケットボール史上トップ10に入るような選手だ。その彼と肩を並べられるなんて想像もしていなかった。本当にすごいことだね」