ビッグラインナップに対し「準備すればもっと良い対応ができます」
宇都宮ブレックスは4月24日、25日に行われた川崎ブレイブサンダースとのホームゲームで連敗。特に第2戦は川崎のビッグラインナップに圧倒され、自分たちの武器である強力なインサイド陣によるゴール下で主導権を握れなかったのが痛かった。
まさに川崎の勢いを見せつけられた2試合となったが、宇都宮はこの戦いの前に東地区優勝が決定し、チャンピオンシップのセミファイナルまでのホームコート開催が確定していた。東地区2位に浮上するため一戦必勝体制で臨んでいる相手に対し、状況には大きな違いがあったのは無視できない。
第2戦、劣勢の中でも宇都宮が粘って食らいつく原動力となっていたのが計4本の3ポイントシュートを決めた遠藤祐亮だった。「最初からディフェンスのエナジーを出せて、昨日やられていたことの対策はできましたが、相手のビッグラインナップに最後までやられてしまいました。川崎さんは3番のミスマッチをより攻めてきて、パブロ(アギラール)選手にスコアされる。準備をしてきましたが、それ以上の対応をされました」
このように遠藤は、ビッグラインナップを防げなかったことを敗因に挙げる。だが、もしチャンピオンシップで再戦した場合、同じ過ちを繰り返さないと意欲を見せる。「サイズのミスマッチがあるのでパブロ選手に対して一人で守るのはすごく難しいです。そこで人数をかけ、どうローテーションしながら守るのか練習しましたが、甘さもありました。ただ、ここをしっかり準備すればもっと良い対応ができます」
また、自身のパフォーマンスについては、11本と3ポイントシュートを積極的に打てたことへの手応えを語る。「相手がピック&ロールに対してアンダーで守ってきた中、昨日は3ポイントシュートを4本と打てていなかったのが、個人的な反省でした。そこをしっかり考えて本数が増えた中で、前半は入らなかったですが後半も打ち続けたのが良かったと思います」
王者に輝いた、初年度と似たような展開に
もちろん負けるより勝つ方がいいが、宇都宮にとって川崎のビッグラインナップの仕上がり具合を実際に体感できたことは先に繋がる。また、第2戦の終盤にはジェフ・ギブス、ジョシュ・スコット、ライアン・ロシターを同時起用する、宇都宮版ビッグラインナップを起用し、点差を縮めることに成功と対策へのヒントも得られた。
そして敗戦を成長の糧とし、ステップアップすることで王座奪還を果たした成功体験を宇都宮は持っている。ジェフ・ギブスは語る。「2敗は厳しい結果でチャンピオンシップまでにもっと良くならないといけない。ただ、試合後、ライアンがロッカールームで話していたけど、初年度レギュラーシーズンで千葉に苦しんだ後、打開する方法を見つけてチャンピオンシップで勝てた。川崎に対しても倒し方を見つけ、勝利をつかんでいきたい」
ギブスが言及したように宇都宮はリーグ初年度、レギュラーシーズン終盤の4月29日、30日とホームで千葉と対戦したが、持ち味の守備が崩れて77-84、84-90と連敗し、シーズン初の同一カード連敗を喫した。だが、その教訓を生かし、チャンピオンシップのクォーターファイナルで再戦した際には80-73、77-70と守備を立て直して撃破し、そのまま初代王者に輝いた。
図らずも今回の川崎戦の連敗も、宇都宮にとって今シーズン初の同一カード連敗だった。「この課題を乗り越えればチャンピオンにより近づけます」と遠藤は語ったが、この段階で川崎と対戦できたからこそ、さらなるチーム力底上げのきっかけを得られたとも言える。このチャンスをしっかり生かすことができれば、宇都宮は初年度と同じ道のりでシーズンを締めくくれるはずだ。
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