「あの瞬間のことを謝罪したい。あれは本当の僕じゃないんだ」
キャバリアーズのケビン・ラブは4月26日のラプターズ戦の試合中に『キレて』しまった。第3クォーター終盤、審判が渡したリスタートのボールを、チームメートに渡すのではなく叩き付けるようにはたいてコートに戻した。これをラプターズの選手が拾い、3ポイントシュートを決めるまで、ラブはボールを追うでもなくプレーに参加しようとしなかった。ラブはこのプレーの直後にベンチに下げられている。
試合後の会見には応じなかったが、翌日にオンライン会見を開いた。それでも記者との質疑応答はなく、彼だけが13分間に渡り自分の思いを語るものだった。
「あの瞬間のことを謝罪したい。ひどい行為だったけど、悪意のあるものではなかった。あれは本当の僕じゃないんだ」
「試合を軽視したわけじゃなく、ボールをインバウンドさせる意図もなかった。いっぱいいっぱいになってしまっただけだ。罰金処分になるようなことは言いたくないけど、あれは審判のせいでもある。ボールがこちらに来た時に僕は少し混乱していて、状況を理解していなかった。だから、あの行為が最悪のものだと理解するのにも少し時間がかかった。ただ、これはチーム内で処理できることで、僕もチームメートも、コーチもフロントも良い関係を保ち、これを乗り越えて前に進もうとしている」
「ファイナル進出、そして優勝を期待されていたチームが再建中になるのはキツいよ。でも僕はそれを受け入れた。みんながそれぞれの役割を持っていることを理解し、そこに自分の場所を見いだした。ファイナルに進出したチームを除けば、これだけみんなが結束し、次世代に投資しているチームはない。このチームにいるのは素晴らしいこと。ここには常に『次の誰かのために』というメンタリティがあり、みんながお互いに『あいつは良いヤツだ』と言う。僕は正しいことをしていると感じているし、一人ひとりが成功していく姿を見ていたいんだ」
「試合でやることはすべて、自分に返ってくる。だから僕は若い選手たちのために正しい行いをしたい。そうすれば、すべてが終わって彼らがこれまでを振り返った時に『ケビンが助けてくれた』と言ってもらえるはずだ。次世代の選手たちを手助けすることは、今の僕にとってすごく価値のあることなんだ」
「批判がたくさんあるのは知っているし、正直に言えば少し大げさすぎるとも感じる。僕の性格を判断し、どんな男か見てもらいたい。批判されるのは構わないし、いろんな手段で僕を叩くことができるけど、僕はそのすべてを受け止めるつもりだ。僕はバスケットボールを愛しているし、これからも愛し続ける。可能な限りあと何年もプレーしたいと思っている。そしてL.B.(ビッカースタッフ)やコーチングスタッフ、若いチームメートたちのために、死ぬ気で頑張るんだ。人々が僕のことをどう思っているのかは気にしない。僕にとって重要なのはチームメートの意見であり、この組織が僕をどう見ているかなんだ。そこで僕は自分が評価されているのを知っている。だから平穏でいられるんだ」
28日のマジック戦にもラブは出場し、フィールドゴールは11本中2本成功とシュートタッチは絶不調だったが、10リバウンド6アシストを記録。精力的にスクリーンをかけることで若い選手たちのアタックをサポートした。試合には104-109で敗れたが、残り1分で同点に追い付く大事な3ポイントシュートを決めてもいる。トラブルはあったが、キャブズとラブは乗り越えて先に進もうとしている。