渡邊雄太

セカンドユニットが支えきれず、悔しい逆転負け

ラプターズはホームでネッツと対戦。終盤まで競ったゲームを続け、第4クォーター残り9分半の時点で90-84とリードしていたが、そこからセカンドユニット同士の時間帯に踏ん張ることができず、16-2のランで一気に試合をひっくり返された。主力が戻ったクラッチタイムにもケビン・デュラントに個人能力の差を見せ付けられ、103-116で逆転負け。第4クォーターは20-36と差があった。

試合序盤のリードを守ることができず、第4クォーターもデュラントとカイリー・アービングが不在の間に逆転を許したラプターズのセカンドユニットにとっては課題の残る試合に。渡邊雄太は18分の出場で8得点3リバウンドをマーク。第3クォーター終盤には、左コーナーからブレイク・グリフィンを抜き去るベースラインアタックで相手ディフェンスを切り裂き、そこから素早いパス回しの最後に右コーナーに移動した渡邊が完璧な3ポイントシュートを成功させている。第4クォーターの最初も、スタンリー・ジョンソンのパスを呼び込む巧みなカッティングでイージーダンクを決めるなど、積極的なプレーで得点に絡む好調ぶりは続いている。

それでもチームとしてはジョー・ハリスとグリフィンを軸とするネッツの攻めを止められず、良い流れをキープできなかった。渡邊は個人のアピールはできたが、出場時間の得失点差は-13と、個人のパフォーマンスがチームの出来に繋がらない試合となった。

ネッツはデュラントが勝負どころで決めた得点のインパクトが強いが、デュラントはフィールドゴール7本中5本成功と個人で強引に仕掛けたわけではなく、チームでチャンスを作る効率の良さが目立った。出場した8選手のうち7人が2桁得点を記録。残り1人は9得点のカイリー・アービングで、彼もまた個人で得点を取りに行くのではなくチームプレーを優先した。

17得点10リバウンド4アシスト2スティール2ブロックと、まさに好守両面で活躍したデュラントは「今シーズンの僕たちはケガやコロナ、トレードでの選手の移動など様々な逆境を乗り越えてきた。この組織の全員を誇りに思う」と語る。

「自分たちがどうプレーすべきか、みんな理解していた。僕が得意のエリアでボールを持てば相手はダブルチームに来る。僕はそこで我慢して正しいパスコースを探して、そこからチャンスを作ることができたと思う。プレーのバリエーションが多彩で、いろんな戦い方ができることを今日は示すことができた。我慢と言ったけど、それほど大変ではないよ。それが自分の仕事だから。得点できれば自分のリズムをつかみやすいけど、そこで少し我慢が必要になるという話さ。僕のシュートがそう多くはなくても、勝てればうれしいよ」

ラプターズはケガをしていた主力が揃って戦線復帰してから勝ち星を伸ばしていたが、今回は手痛い敗戦を喫してプレーイン・トーナメント進出ラインから一歩後退した。それでも、ここからナゲッツ、ジャズ、レイカーズ、クリッパーズと優勝候補との対戦はまだまだ続く。