指揮官ルーも信頼、プレーオフに向けて大きな戦力に
クリッパーズはデマーカス・カズンズと今シーズン終了までの契約を結んだ。最初の10日間契約では6試合中3試合だった出場試合数が2回目の10日間契約では5試合すべてに増え、コート上で存在感を示したことが新たな契約に繋がった。
先発センターのサージ・イバカが腰を痛めて1カ月以上離脱している状況で、カズンズはここまで11.5分の出場で6.3得点、4.5リバウンドを記録。それでも2月中旬にロケッツから契約を切られて実戦から離れていた影響が最初はあり、試合を重ねるごとに動きにキレが出てきている。
レジー・ジャクソンはカズンズについて「頼りになるロッカールームのリーダー」と表現している。「バスケIQの高さには驚かされるよ。ダブルチームに来る相手を引き付けてパスを出すことで、僕らを快適にプレーさせてくれる。僕だけじゃなく、みんな彼のパスを認めているよ。いつも精力的だけど、それと同時に変な力みがなくプレーしている。僕らはみんな彼を歓迎しているよ」
ヘッドコーチのタロン・ルーは、まだ2回目の10日間契約が切れる前の時点でカズンズとの『未来』について語っている。「プレーオフまで1カ月ある。今は彼がコートにいる間はできるだけシンプルなプレーをしているが、彼はまだウチのプレースタイルやセットを学び、ディフェンスで何をすべきなのか学んでいるところだ。それを理解すれば間違いなく大きな戦力になる」
アキレス腱の断裂、大腿四頭筋の断裂、膝十字靭帯の断裂と大ケガを繰り返したカズンズは、今はただプレーできることに感謝し、このチャンスを生かそうとしている。ロケッツとの試合に勝った後のインタビューで彼は「ただケガなくプレーを続けたいだけなんだ」と語っている。
「僕にとっては長い旅だ。今、僕の身体は日々良くなっていて、運動能力もスタミナも毎日向上している。長い道のりだけど、今は毎日が充実しているし、トンネルの先に光が見えている。今はすべての瞬間が愛おしいんだ。その感情は、子供の頃からずっとバスケをしてきて、どんなスニーカーでも履いていた中学生の時と変わらない。感謝しているよ」
イバカは練習を再開させており、その間に先発を務めるイビツァ・ズバッツも期待に応える活躍を見せている。ここにカズンズが万全な状態で加われば、クリッパーズのフロントコートは相当に強力なものとなる。カワイ・レナードとポール・ジョージ以外の部分でどれだけ強みを作れるか。プレーオフに向けたその課題に、クリッパーズは良い回答を出すことができそうだ。