インサイドを起点とした3ポイントシュート攻勢で主導権
サンロッカーズ渋谷vsレバンガ北海道の第2戦。ジョーダン・テイラーとジャワッド・ウィリアムズをケガで欠き、外国籍選手がニック・メイヨしかいない北海道に対して、インサイドを強調するのではなく起点とすることで3ポイントシュートを高確率で沈めたSR渋谷が98-83で勝利した。
北海道は桜井良太が外国籍選手とマッチアップすることになり、インサイドの不利は否めず、周りもペイントエリアに意識が向いてしまう。SR渋谷はそこを突き、単純なパワープレーではなくアウトサイドを有効に使った。そして、関野剛平、ライアン・ケリー、ケリーのチップアウトから石井講祐が連続で3ポイントシュートを沈めると、再び石井がセカンドチャンスから3ポイントシュートを成功させ、開始5分で17-7と2桁のリードを奪った。
そのままSR渋谷が一気に突き放すかに思われたが、北海道にトランジションを何度も許し、ゾーンとマンツーマンを織り交ぜるチェンジングディフェンスに手こずったことで失速した。それでも、18本中9本と高確率で3ポイントシュートが決まったことで、48-37と2桁のリードを維持して前半を終えた。
後半に入り、チャールズ・ジャクソンやジェームズ・マイケル・マカドゥのインサイドを強調しリードを保っていたSR渋谷だったが、インサイドへのパスを狙われ、ターンオーバーから失点するなど次第にオフェンスが停滞。第3クォーター残り3分19秒には、多嶋朝飛に3ポイントシュートを決められ、4点差まで迫られた。それでも、高さの利を生かし、インサイドで連続得点を挙げたことでリードを保った。
そして、ここでの我慢が最終クォーターの出だしで爆発する。ベンドラメ礼生のドライブ、石井の3ポイントシュートで流れに乗ると、ターンオーバー奪取からジャクソンの速攻に繋げるなどディフェンスも機能。そして、盛實海翔も3ポイントシュートを沈め、ジャクソンが3点プレーとなるバスケット・カウントを成功させる。開始2分間で13-0と走り、点差を20の大台に乗せたSR渋谷がそのまま押し切った。
「ゲームの流れをしっかり見極めて一気に行けた」
結果的に最終クォーターの最初の2分間が勝敗を分けた。北海道の宮永雄太ヘッドコーチは「第3クォーターを終えて数点差というのは選手の頑張りで、昨日よりインテンシティが高かったことで食らいついていけた」と語りながらも、「第4クォーターの出だしで持っていかれたところは、自分自身も何か戦術を変えることができなかったのか」と自問自答した。
勝利したSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは「流れが切れるターンオーバーがいくつかありましたけど、その都度ディフェンスで我慢ができてオフェンスに切り替えることができた」と語り、勝敗を分けた2分間については「選手たちがゲームの流れをしっかり見極めて一気に行けた」と振り返った。
7本中5本の3ポイントシュート成功を含む17得点を挙げ、試合を優位に運ぶ立役者となった石井は「みんな我慢をして勝負どころで突き放して勝つことができた。ホーム最終戦を勝ちで終わることができて本当に良かった」と語り、無観客ではあったもののホーム最終戦の勝利を素直に喜んだ。
連勝を5に伸ばしたSR渋谷はこれで38勝19敗。ワイルドカードでのチャンピオンシップ進出をほぼ手中に収めた。