文=泉誠一 写真=野口岳彦

代々木第二での開幕戦にはリオで戦った代表選手6名が登場

世界No.1チームであるアメリカ代表に挑んだオリンピック準々決勝から3週間が経過した。

地球の裏側のリオ・デ・ジャネイロから熱狂と興奮、そして勇気と感動を届けてくれた女子日本代表選手たちが『主戦場』に戻ってくる。女子バスケのトップリーグとなるWJBLは、ちょうど1カ月後の10月7日より新シーズンがスタート。代々木第二体育館で行われる開幕戦は、JX-ENEOSサンフラワーズvs富士通レッドウェーブ。昨シーズンのファイナルと同じカードだ。

オリンピックで最初に得点を獲った間宮佑圭、速攻を出し続けた司令塔の吉田亜沙美、ワールドクラスの高さで次々とゴールを挙げた渡嘉敷来夢。女子日本代表スタメンのうち、この3人はいずれもJX-ENEOSサンフラワーズの所属。さらに、アメリカ戦で3ポイントシュートを決めた宮澤夕貴も、誰よりも大声で選手たちを鼓舞し続けて何度もテレビに抜かれていたマネージャーの山崎舞子も、JX-ENEOSサンフラワーズの一員である。

もう一人、今シーズンより指揮を執るのは、代表のアシスタントコーチを務めたトム・ホーバスだ。これだけオリンピック経験者が揃えば、「9連覇に向けて死角なし」と言い切ってしまいたくなる。

しかし、オリンピックイヤーだからこそ、そう簡単にはいかないという思いも強い。

対する富士通レッドウェーブには、ものすごいスピードで大きな相手の間をすり抜けてファンを魅了した、代表で一番小さな町田瑠唯がいる。余談ではあるが先日、近所のカフェに行くとバスケを始めたばかりの小学校3年生の女の子に出会った。話を聞くと、オリンピックを見ていたようで、憧れる存在となったのは「町田さん」と即答してくれた。

控えのポイントガードとして活躍した町田が富士通レッドウェーブでは先発となり、吉田とマッチアップする。開幕戦のベラルーシ戦で3ポイントシュートを決めて勢いづけた長岡萌映子もおり、若い2人がオリンピックでの課題を克服し、レベルアップして女王倒しに挑む。

チケットは最高3200円、リオ戦士6人が集う開幕戦はお得!

富士通レッドウェーブには、昨年のアジアチャンピオンの立役者でありながら、最終選考でリオ行きを絶たれた三谷藍、山本千夏、篠崎澪がいる。その悔しさたるや想像を絶することだろう。その悔しさとともに自らの実力を示すべく、オリンピアンとのガチンコ勝負は避けられない。WJBL開幕とともに、新たなる夢をつかむ戦いの火蓋が切って落とされる。

開幕戦のJX-ENEOSサンフラワーズvs富士通レッドウェーブは、10月7日(金)19時より代々木第二体育館で開催。すでに販売しているチケットは、一番高くても3200円と「お財布に優しい料金」と言えよう。リオ五輪を戦った日本代表の半分となる6選手を一挙に見られるとは、何ともお得である。

3ポイントシュートであのカーメロ・アンソニーを驚かせた栗原三佳と近藤楓が所属するトヨタ自動車アンテロープスは、王新朝喜の三菱電機コアラーズとスカイホール豊田で、シックスマンながら得点を決めていった髙田真希のデンソーアイリスは、日本の斬り込み隊長の本川紗奈生とフランス戦の3ポイントシュートが印象的に残る三好南穂のシャンソン化粧品シャンソンVマジックとウィングアリーナ刈谷で、それぞれ10月8日(土)に開幕戦を迎える。

テレビやネット中継を通じて見た日本が誇るスピードを今度は間近で体感できるとともに、オリンピックで成長した姿が見られることを心待ちにしている。

代々木第二体育館での開幕戦と同じ日、港区スポーツセンターにて羽田ヴィッキーズvs山梨クィーンビーズも開幕戦を迎える。プロと言っても過言ではない、地域名を冠にした両チームの戦いや会場での取り組みも一見の価値あり、だ。

WJBL(バスケットボール女子日本リーグ)公式サイト