カイル・クーズマ

写真=Getty Images

クーズマに待ち受けるベテランとのポジション争い

2017年のドラフトは『豊作年』と呼ばれ、ドノバン・ミッチェル、ジェイソン・テイタム、ロンゾ・ボールら今後のNBAを背負って立てる若手候補が数多く現れた。その中でも『予想外』の活躍で頭角を現したのは、レイカーズのカイル・クーズマだった。

ミッチェルら上位指名とは異なり全体27位指名だったクーズマは、プレシーズン時期こそ無名の若手だったものの、レギュラーシーズン序盤から結果を残し、1年目に平均16.1得点、6.3リバウンドを記録。ポジションこそ異なるが、全体2位指名選手のボールよりインパクトを残せたと言っても過言ではなかった。

そのクーズマを短期間ながら間近で見て、さらなる成長を確信したベテランがいる。今年の2月にキャバリアーズからレイカーズにトレードされたアイザイア・トーマスだ。

トーマスはオフにナゲッツと契約したため、レイカーズにはわずか2ヶ月しか所属しなかったが、クーズマについて、『CBS Sports』に「彼はリーグで特別な選手になれる」と語った。またトーマスは、「彼は過小評価されている」とも主張。「彼の力を疑う意見は、本人にとってモチベーションになる」とも話している。

昨シーズンまでは若手が中心の『ヤング・レイカーズ』だったが、この夏チームを取り巻く状況は一変した。フリーエージェント選手の中で最も去就が注目されたレブロン・ジェームズが加わり、名門復活に向けた機運はいっそう高まっている。レブロンに続き、ランス・スティーブンソン、ラジョン・ロンド、ジャベール・マギー、マイケル・ビーズリーというベテランたちも加わり、各ポジションの競争レベルも格段に上がった。

球団が思い描く理想は、レブロンの周りを若手コアが固め、シーズン中に彼らが劇的にレベルアップすることだろうが、現実は甘くない。『個性派』ながら腕に覚えのあるベテランたちとの競争に勝てなければ、彼らは昨シーズンと同等の出場時間を得られない。

先発確定のレブロンとポジションが重なるクーズマは、セカンドユニットからのスタート、もしくはイングラムらとスモールフォワードのポジションを争うようになるだろう。逆境をバネにできるかどうか、クーズマの更なる成長に期待したい。