ラマーカス・オルドリッジ&デイミアン・リラード

過去のすれ違いから和解するも、タッグ再結成はならず

デイミアン・リラードとラマーカス・オルドリッジの間にはドラマがある。リラードがトレイルブレイザーズに加入した2012年、チームのエースだったのは5歳年上のオルドリッジだった。しかし、その後の2人の間には微妙な空気が流れていた。

オルドリッジはリラードの才能を認めながらも、もともと饒舌なタイプではないだけに彼を尊重しようとする姿勢は冷淡なものに見えた。リラードは彼にチームを引っ張ってもらい、そのサポート役を務めたいと思いながらも、エースになろうとする自分の立場との折り合いを付けられず、こちらもコミュニケーションを取ろうとしなかった。互いにいがみ合っていたわけではない。ただ、ほんの少しのボタンの掛け違いが、2人のデュオを機能させなかった。

誤解が解けたのはオルドリッジがスパーズに移籍した後のこと。どちらも年齢とともに成熟し、メディアを通じて2人はお互いの本意を知った。その後は電話で連絡を取り合うようになり、リラードからの「戻って来ないか」との誘いに対しオルドリッジは「いつかブレイザーズに戻ってキャリアを終えたい」と語っていたそうだ。

もしオルドリッジがネッツで今シーズンの挑戦を終えて、再びフリーエージェントになっていたら、最後にポートランドに戻ることはあったのだろうか。不整脈を起こして入院したのを機に、彼が電撃的な現役引退を発表した今となっては、それは分からない。

そして今、リラードはブレイザーズに対して、彼が着けていた12番を永久欠番にするよう求めている。「彼はブレイザーズのユニフォームを着て素晴らしいキャリアを築いた。退団した時のことで、みんなそれぞれ思うところはあっただろうけど、彼のキャリアとこの街に与えた影響は否定できないはずだ。その貢献を考えれば永久欠番にすべきだ」とリラードは球団にメッセージを送った。

2015年夏のスパーズ移籍を、オルドリッジの裏切りだと考える者は今も多い。だが、リラードはその感情が勘違いから生まれたものであると知っている。オルドリッジとリラードのジャージーは、いずれモダ・センターに揃って掲げられるかもしれない。