ベンチポイントで40-7と圧倒したA東京が層の厚さを見せつける
レバンガ北海道vsアルバルク東京の第2戦。第1戦を1点差で落とした北海道は、この試合でもわずか1点届かず70-71で敗れた。
北海道は序盤こそピック&ロールからの失点が相次ぎ、第2クォーターの開始1分で2桁ビハインドを背負った。さらに、その1分後にはエースのニック・メイヨが3つ目のファウルを犯してしまい、ベンチに下がることに。そのためスモールラインナップとなった北海道は、ここで2-3のゾーンディフェンスを展開。するとこのゾーンが見事にハマる。A東京のピック&ロールを封じ、インサイドには簡単にボールを入れさせないことで、相手のリズムを崩していった。
一方、オフェンスでは中野司と山口颯斗の若手2人が積極的なプレーでメイヨの穴を埋める。中野は前が空けば迷わずシュートを放ち、守備でもスティールからの速攻も決め、第2クォーターの最初の5分間だけで10得点を記録。山口もミドルシュートにポストプレー、ドライブなどオールラウンドな活躍を見せてオフェンスを牽引。エースが不在の間に若手が奮闘することで点差を縮めると、後半からコートに戻ってきたメイヨの連続得点もあり、第3クォーターの残り約8分でついに逆転に成功した。その後もメイヨの3ポイントシュートや中野、山口の活躍もあり北海道がリードを広げた。それでもA東京の安藤誓哉に3ポイントシュートを許したこともあり、最終クォーターの残り6分半には同点に追いつかれた。
その後は拮抗したが、終盤になるとA東京が試合巧者ぶりを見せる。チーム全員でアグレッシブに攻めていた北海道に対して、小島元基は3ポイントラインでフリーになっても自ら打つのではなく、シュートタッチが良いデション・トーマスにシュートを打たせるなど、ガード陣が冷静なゲームメークを披露した。
一進一退の攻防ではあったが、A東京が1ポゼッションを追いかける展開が続いた中で、今度は安藤誓哉がピックからトーマスの3ポイントシュートをお膳立てし、残り52秒で70-70と同点に。そしてA東京はラストポゼッションでトーマスのアイソレーションを選択。トーマスの3ポイントシュートは外れたが、小酒部泰暉がオフェンスリバウンドに飛び込むと、セカンドチャンスをねじ込む際に北海道からファウルを誘い、残り1.9秒で得たフリースローを小酒部が1本沈めて71-70でA東京が勝利した。
「中野や山口らの積極的なアタックや得点は今後のチームにとっては収穫」
北海道は敗れはしたが、メイヨが23得点、中野が17得点、山口が11得点と若手の活躍もありA東京を相手に激闘を繰り広げた。それでもベンチポイントでA東京に40-7と大差をつけられたように、選手層の厚さを見せつけられた。また、拮抗した最終クォーターではトーマスを起点としたA東京のセットプレーを止めることができなかった。
北海道の宮永雄太ヘッドコーチは若手のプレーを称えつつ、こう総括した。「中野や山口らの積極的なアタックや得点は今後のチームにとっては収穫でしたが、細かい部分での精度などは上げていかなければならないと思いました。ただ、今節はケガ人で厳しい状況の中、選手たちは最後までプレッシャーをかけて戦い抜いてくれました」
「最後勝ちきれなかった部分はヘッドコーチである自分の責任であり、残り試合は少ないですが、より細かい部分でのステップアップをしていくために、コーチとしてもいろんな課題にトライするだけだと思っています」