自身も大動脈瘤手術を乗り越え、NBAキャリアを重ねる
今シーズン途中にスパーズからネッツへと移籍したラマーカス・オルドリッジは、4月10日のレイカーズ戦で不整脈を起こし、これをきっかけにバスケットボール選手としての引退を決断した。
オルドリッジが抱えていたのはウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群という病気で、心臓に伝わる信号に異常が出て心拍数が異常に高くなるもの。トレイルブレイザーズでプレーしたルーキーシーズンの途中に病気が発覚し、大事を取ってシーズン終盤の試合を欠場した。その後、治療をしながらNBAキャリアを15シーズンまで積み上げ、オールスターに7回選出されている。その間にも何度か、彼は不整脈を起こしていたそうだ。
35歳のオルドリッジにとって、ネッツとの契約はキャリア最後にNBA優勝を成し遂げられるかどうかのチャレンジだった。だが、彼はネッツで5試合に出場しただけで、シーズン途中で引退を決断することになった。
ネッツのチームメートで、オルドリッジの心情を最も理解できるのはジェフ・グリーンだろう。彼もまた、心臓の病気と戦いながらNBAプレーヤーとしてのキャリアを重ねている。オルドリッジより1歳年下のグリーンは、2011年に大動脈瘤が発見されて手術を受けた。2011-12シーズンは全休となり、契約を失った状態で長いリハビリを乗り越えて再起を果たしている。
「最初に聞いた時はショックを受けたけど、心臓疾患と長く付き合ってきた自分の経験から言えば、健康は何よりも優先されるべきだ。15シーズンに及ぶ彼のバスケットボール人生は素晴らしいものだったと思うよ。僕にとっても、健康が一番大事。妻や子供たちのために生きていなきゃならないし、自分自身を大切にしたい。彼の決断を、僕は全面的に支持したい」
NBA優勝は手に入らなかった。あと49得点となっていたNBA通算2万得点も未達に終わった。それでも、オルドリッジのキャリアが損なわれたわけではない。グリーンは言う。「引退が発表されてから電話で話したけど、元気そうだった。元気でいてくれれば、それだけで十分だ。彼が無事で、家族と一緒にいられることがうれしい。