秋田ノーザンハピネッツ

アグレッシブさ全開の細谷将司がオフェンスを牽引

川崎ブレイブサンダースvs秋田ノーザンハピネッツの第2戦。第1戦で27点差の大敗を喫した秋田だったが、課題の3ポイントシュートが高確率で決まり、粘りのディフェンスを最後まで貫き93-84で勝利した。

外国籍選手が2人しかいない秋田はアレックス・デイビス、ハビエル・カーターのどちらかを休ませる時間帯に『オン1 』を強いられ、必ずミスマッチが生まれる状況となった。その結果、ニック・ファジーカスを起点にインサイドでイージーシュートを許すなどオフェンス優位な状況を作られた。第1クォーター残り1分、パブロ・アギラールにダンクを食らい早くも2桁のビハインドを背負った。

しかし、秋田は野本建吾や古川孝敏が身体を張り、他のメンバーもインサイドへのケアを強めたことで徐々に失点を抑えた。さらに、ガード陣の豊富な運動量を生かした素早いローテーションディフェンスが機能していった。ディフェンスで耐え忍んだ秋田はこの日シュートタッチが好調な細谷将司がオフェンスを牽引。3ポイントシュートにドライブからのフローターを次々と沈め、前半だけで23得点を挙げる大爆発を見せた。

川崎の3ポイントシュート成功率が9.1%と低調だったことにも助けられ、秋田は42-42で前半を折り返した。しかし、ジョーダン・ヒースとファジーカス、アギラールを同時に起用する『オン3』で後半をスタートさせた川崎の猛攻に遭い、0-8と出鼻をくじかれた。このまま一気に点差が開きかねない場面だったが、秋田は川崎とは対照的に3ポイントシュートが高確率で決まったことで盛り返し、ついには保岡龍斗の3ポイントシュートで締めて3点をリードして、最終クォーターを迎えた。

秋田ノーザンハピネッツ

「勝とうという意識を出し続けてくれたことを誇らしく思います」

そして、結果から言えば、秋田がこの後、川崎にリードされることはなかった。川崎は最後までアウトサイドシュートに当たりが来ず、3ポイントシュートは29本中1本のみの成功に終わる。高さで上回り、オフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントに繋げるも単発に終わり、ディフェンスで我慢ができなかった。

一方の秋田は最後まで集中力を切らすことなくタフに戦い続けた。デイビスやカーターは川崎の外国籍選手を一人で守り切り、ミスマッチの場面ではフィジカルを前面に押し出し、時にはダブルチームも用いて失点を最低限に留めた。オフェンスでは前半と変わらずに好調なシュートタッチを保った細谷が要所でシュートを決め、その勢いを保岡や大浦颯太が受け継いだ。保岡は崩しきれずに1on1を選択する場面でディープ3を沈め、大浦は積極的にアタックして得点だけでなくアシストでも貢献した。

残り1分23秒、川崎はヒースが速攻からバスケット・カウントを決めるが、ボーナススローを外してしまい2ポゼッション差に追いつくチャンスを逸する。直後に大浦が篠山竜青からファウルを誘発。これで得たフリースローを2本成功させ、9点差としたところで勝負アリとなった。

秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは「連敗を止められたことをうれしく思います」と語るとともに、「負けが続いている中、自分たちを信じて、勝ちを信じて、同じ方向を向いて40分間ゲームプランを遂行してくれました。チームが勝とうという意識を出し続けてくれたことを非常に誇らしく思います」と総括した。

一方、川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは「秋田さんのディフェンスに苦しめられました。アドバンテージのあるインサイドで徹底的にプレッシャーをかけられてボールが動かず、オフェンスがうまくいかない中でいつものように悪い流れでズルズルと行ってしまった」と語り、ディフェンスで我慢ができなかったことを敗因に挙げた。

秋田は粘りの全員バスケを展開し、連敗を6でストップ。今日のようなパフォーマンスが持続できれば、厳しい状況ではあっても、ワイルドカードでのチャンピオンシップ進出も決して夢ではない。