渡邊の好調を支えるのは、インサイドで得点する力強さ
2日前のブルズ戦ではケガ人に出場停止が重なっての駒不足が響き、奮闘虚しくブルズに敗れたラプターズ。中1日を置いたこの試合では使える選手が10人に増えたものの、カイル・ラウリーとフレッド・バンブリートの欠場は続き、さらにパスカル・シアカムも休養で不在となった。
ところが、ラプターズは試合開始から予想を覆す最高のパフォーマンスを見せる。マラカイ・フリンのゲームメークからボールをシェアして多彩なチャンスを作り出し、先発のチャンスを生かすディアンドレ・ベンブリーの8連続得点でチーム全体が勢いに乗ると、オープンな打ち合いでキャブズを圧倒する。第1クォーターを47-26と圧倒。ベンチスタートの渡邊は残り1分を切ってから、相手のパスミスを拾ってトランジションに転じ、コリン・セクストンとのミスマッチを逃さず突くことで初得点を記録。最後は体勢を流しながらもブザービーターとなる3ポイントシュートでビッグクォーターを締めている。
第2クォーターもラプターズの勢いは止まらない。スピードでもフィジカルでもキャブズを圧倒し、チームで良いチャンスを作っては高確率でシュートを決めて、このクォーターも40得点。前半で87得点は球団新記録だ。チームの武器であるディフェンスも機能して、前半を終えて87-54。第3クォーターにやや勢いを落としたものの、危なげなくリードを守って135-115と完勝している。
渡邊は23分のプレータイムでキャリアハイを更新する14得点を記録。先の試合で見せたシュートセレクションの良さからのフィールドゴール成功率の高さ(7本中6本成功)は変えないまま、ボールを持った時にはよりアグレッシブに仕掛け、得点を伸ばした。特に本人も語っているように、ゴール下まで攻め込んで相手ディフェンスのコンタクトを受けながらシュートを決めきる力強さが、渡邊にとって自信となり、積極的なアタックを可能にしている。
もっとも、この試合で誰よりも高いパフォーマンスを見せたのはギャリー・トレントJr.だ。トレイルブレイザーズではデイミアン・リラードとCJ・マッカラムに隠れる形だったが、シーズン途中にラプターズに移籍すると先発に固定されて思う存分その実力を発揮している。この試合ではフィールドゴール19本中17本成功、3ポイントシュート7本成功でキャリアハイの44得点を記録。チームにとっては素晴らしい新戦力となっている。