感染者が相次ぐ中でファイナルへと突き進むBリーグ、『現場の責任者』たちの思い「何が正解かは実際分かりません」

感染者が相次ぐ中でファイナルへと突き進むBリーグ、『現場の責任者』たちの思い「何が正解かは実際分かりません」

2021/04/06 18:30
Bリーグ

伊佐ヘッドコーチ「試合をやらないチームが上に行く可能性もある」

Bリーグは様々な新型コロナウイルス対策を行いながら、ここまで2020-21シーズンを進めてきた。しかし、3月下旬からB1、B2ともにチーム内での感染が相次ぎ、試合が中止となるケースが増えている。4月2日から4日に行われた週末の試合はB1で10カード中5カードが、B2でも8カード中4カードが中止となった。

本来であれば全チームがレギュラーシーズン60試合を行った上でシーズンの最終順位を確定させ、ポストシーズンを迎える。しかし、この状況下ではリーグは『できる限り代替日程での試合を実施する』形を選び、60試合が消化できなくても勝率で順位を決定することを発表している。

チャンピオンシップ出場を争うチームは、残り試合数と対戦相手、ライバルとのゲーム差を見ながら戦う状況に、予想できない要素が加わる難しさがある。現在32勝18敗で東地区5位のサンロッカーズ渋谷はその一つだ。先週末の琉球ゴールデンキングス戦を1勝1敗で終えたSR渋谷は、 ワイルドカード2位でのチャンピオンシップ出場圏内にいる。

SR渋谷を指揮する伊佐勉ヘッドコーチは「やりづらさは実際あります。いろいろなライバルチームを見ていますが、試合をやるかどうかも分からない状況なので、その日が終わらないと計算のしようがない」と心境を明かす。

「目の前の試合に勝てば有利に働きますが、負ければ勝率が落ちるので、もしかしたら試合をやらないチームが上に行く可能性もあります。それでも、これはコロナの問題であって実際に誰も悪くないですし、みんなもしっかり行動しているはずです。Bリーグ、チーム全体でしっかり気を付けて試合を行い、ファンの皆さんに会場に来ていただけるのであれば、ハードにプレーするだけです」

リーグ終盤戦の星勘定も難しいが、トーナメント方式となるポストシーズンで新型コロナウイルスを理由に試合ができなくなれば、そのチームは救済措置なしで不戦敗となることも発表されている。これも現場の責任者であるヘッドコーチには重圧となる。

伊佐ヘッドコーチは「リーグはいろいろな角度から考えて決めてくださっているので、引き続き自チームは気を付けながらやっていくしかない」と語る。「万が一、感染者が出てしまったらその時点でシーズンオーバーになってしまいます。だからこそ一人ひとりの行動がチームに影響します。チームはより口酸っぱく言っているので、みんなを信じて、しっかりしたプロ意識を持って生活して、試合があればハードにやるだけです」

どれだけ感染対策を徹底していても、『出る時は出る』のがBリーグの現状だ。ただ、伊佐ヘッドコーチはこの現状を「仕方がない」と受け止める。「人類が味わったことないコロナが出てきて1年ぐらいたちますが、何が正解かは実際分かりません。どういう判断をしても正解、不正解となるかもしれないので、もうリーグについていくしかないと思います」

宇都宮ブレックス

安齋ヘッドコーチ「ルールが決まったからには、それに沿っていくしかない」

前節で名古屋ダイヤモンドドルフィンズに連勝し、一番乗りでチャンピオンシップ進出を決めた宇都宮ブレックスの安齋竜三ヘッドコーチは、昨シーズンの悔しさを糧に今シーズンを戦ってきたと言う。

というのも、昨シーズンはシーズンが中止となるまで、ほとんどのチームが41試合を消化していた。しかし、宇都宮は最後の試合で担当審判員に発熱が見られたことで1試合未消化のままシーズンを終えている。その結果、宇都宮は31勝9敗の2位。未消化だった試合が行われ、勝っていれば、32勝9敗でアルバルク東京と並び、直接対決で上回るため地区優勝できていた……。仕方がない結果とはいえ、この現実は宇都宮の関係者たちの胸の中でいまだモヤモヤした何かとして残っている。

安齋ヘッドコーチは言う。「ウチとしては昨シーズンの順位決めを糧にして、ずっと良い位置にいられるように自分たちのバスケットを追い求めてきて、それが今の結果に表れています」

チャンピオンシップで試合ができなかった場合に敗退となるルールについて、「個人的には」とした上で「感染者が出てしまったら敗退という状況を作ってしまうと、チームとしては追い込まれてしまう」と悩ましい思いを語った。

「感染者が出てしまってゲーム数が少なくなっても、60試合をやろうとしている。ただ、それも『可能な限り』という制度ではまあまあ不公平感が出ているのに、じゃあチャンピオンシップは(救済措置が)ないのって、と個人的には思います」

「絶対にかかったらダメという状況を常に続けていて、それで感染してしまったら、そういうことじゃないのにその人の責任として目を向けられてしまう。だからそこは僕個人としては、もうちょっと公平性のあることを考えてもらえるとありがたい」

こう語った安齋ヘッドコーチだが、「チャンピオンシップ決勝をやるためには仕方がなかった部分もあると思うので、ルールが決まったからには僕たちはそれに沿ってやっていくしかない」と同時に理解を示してもいる。

どのチームも目の前の試合に集中することはもちろんだが、先行きが見えない状況への不安はある。『現場の責任者』であるヘッドコーチの舵取りは難しくなるばかりだ。これ以上は感染者が増えずに、全員が納得する形でシーズンを終えられることを願いたい。

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