後半に得点が伸びず「圧倒的な圧力を感じました」
滋賀レイクスターズは終盤まで粘りながらも、川崎ブレイブサンダースとの初戦を67-75と落とした。この試合、滋賀で大きなインパクトを与えたのが前田怜緒だ。リーグ有数の堅守と高さを持ち味とする川崎を相手に、出だしからゴール下への積極的なアタックで得点を重ね、15得点をマークした。
前半、滋賀は35-35の同点で折り返したが、それは前半だけで12得点を挙げた前田の活躍があってこそだった。しかし、本人にはそこに対する充実感はなく、後半に失速してしまった点に目を向ける。「川崎さんは天皇杯で優勝していますし、強いチームであることは分かっています。その中でもハードワークのところで絶対に負けてはいけないと思っていましたが、最後にディフェンスなど一瞬の気の緩みのせいで点差を広げられたのが反省点だと思います」
こう試合を振り返った前田は、自身のパフォーマンスについて次のように語る。「前半はディフェンスを含め良い形で入れましたが、後半はボールに触れず消極的になってしまいました。後半は3点しか取れていません。(晴山)ケビンさんの3ポイントシュートが当たっていましたが、自分のところでもう少し点数を取れていたら違った展開になっていたと思います。後半は何もさせてもらえず、壁ではないけど、圧倒的な圧力を感じました」
本人にとっては悔いが残る一戦となったが、これで3試合連続の2桁得点を記録。昨シーズン途中に特別指定で加入し、ルーキーシーズンとなった今シーズンは試合を重ねるごとに着実にステップアップしている。そしてスタッツが伸びているのは、チームメートのおかげであると強調する。
「コーチからディフェンスでリズムを取れと言われています。オフェンスはコートの端から端まで走り回る。走ればチームメートがパスをしてくれるので、そこが点数に繋がっていると思います」
若手の育成に定評のある滋賀の指揮官ショーン・デニスは、前田の成長ぶりをこう称える。「今シーズン、大きな成長をしています。直さないといけないことを一つずつ理解し、自分のプレーに生かそうと努力していることが結果に出ています。オフェンスではフローターが武器になりつつあって、外からのシュートも上達している。リーグを引っ張れる選手になれる素質がある。ディフェンスは一番上達して欲しい部分で、そこが大きく伸びてくれているのは満足しています」
今日の第2戦、滋賀が前日のリベンジを果たすには、相手に負けない強気のプレーを貫くことが大切となってくる。そのためには、前田が攻守に渡ってアグレッシブな姿勢を40分間継続することが必要となる。チームを牽引する働きに期待したい。