レブロン・ジェームズ

写真=Getty Images

球団史上最高の選手に敬意を表する

この夏にクリーブランドを離れロサンゼルスに移ったとはいえ、レブロン・ジェームズがキャバリアーズ史上最高の選手という事実に異論を挟む余地はない。キャブズも、そのことを誰よりも理解している。

現在キャブズは1億4000万ドル(約155億円)という巨額の資金を投じ、本拠地クイックン・ローンズ・アリーナの改修工事を進めている。『ESPN』によれば、新たな会場にも球団史の一部として、レブロンの偉業を称える写真を残す予定だという。

数々の球団記録を更新してきたレブロンだが、ウォリアーズと対戦した2016年のNBAファイナルは、今後もNBA史上、そしてクリーブランドのプロスポーツ史上に残る『伝説』として後世に語り継がれていくだろう。第4戦を終えて1勝3敗と追い詰められたキャブズが、第5戦から奇跡の3連勝で逆転優勝を果たした同シリーズは、まだ記憶に新しい。

3勝3敗で迎えた第7戦でトリプル・ダブル(27得点11リバウンド11アシスト)を記録し、NBAファイナル史上初となる1勝3敗からの大逆転優勝にチームを導いたレブロンは、球団初優勝を達成後、人目をはばからずコートに突っ伏し、大声を上げて男泣きした。『キング』と呼ばれる彼であっても、それだけの重圧を感じながらプレーし続けていたことの証だった。

1964年にクリーブランド・ブラウンズがNFLを制して以降、この瞬間までクリーブランドのメジャースポーツチームが頂点に立った日はなかった。高校生の頃から『選ばれし者』というニックネームで呼ばれるようになったレブロンは、クリーブランド中の期待を一身に背負い、52年ぶりとなる快挙達成に貢献したのだ。

それから2年が経った2018年の夏、キャリア3度目となるフリーエージェントの権利を手にしたレブロンは、新天地にレイカーズを選んだ。2010年の夏にヒートに移籍した時とは異なり、クリーブランドのファンは今回の移籍に関して理解を示している。

レイカーズへの移籍が決まると、クリーブランドの象徴だったレブロンの巨大バナーは撤去されたものの、キャブズは彼の足跡を残し続けることを決めた。レブロンがあと何年現役選手としてプレーできるかは分からないが、おそらく最後はキャブズのユニフォームを着てコートを去るつもりなのだろう。

その日が来るまで、キャブズは球団史上最高の選手である彼の偉業を静かに称え続ける。