千葉ジェッツ

前半で4ファウルのジョシュア・スミスを使い続けた富山

富山グラウジーズvs千葉ジェッツの第2戦。同点で迎えた最終クォーター残り0.2秒、サイドラインからのリスタートでギャビン・エドワーズが空中でキャッチしたボールをそのまま押し込み、千葉が90-88の劇的な勝利を収めた。

序盤は千葉のペースで試合が進んだ。第1戦で29得点を奪われた岡田侑大を自由にさせず、第1クォーターの得点を2得点に封じると、ジョシュア・スミスからいきなり2つのファウルを誘発し富山の出鼻をくじいた。オフェンスでは富樫勇樹が2本の3ポイントシュートを含む8得点を挙げて流れを作ると、チームで8本中5本の3ポイントシュートを成功させて29-17といきなり2桁のリードを奪った。

反撃したい富山だったが、第2クォーター残り5分27秒にスミスが早くも3つの目の個人ファウルをコールされてしまう。しかし、浜口炎ヘッドコーチはここでスミスをベンチに下げなかった。スミスはその期待に応え、直後に3点プレーとなるバスケット・カウントを誘発するなど5連続得点を挙げた。

点差を詰めることに成功し、3ファウルのスミスを起用する強行策が成功したかに見えた。しかし、残り2分を切った場面でリバウンドに絡んだスミスが痛恨の個人4つ目のファウルを犯してしまう。スミスをベンチに下げざるを得なくなったが、ここから岡田とジュリアン・マブンガが奮起し、5点差に迫って前半を終えた。

迎えた後半、富山は4ファウルのスミスを頭から起用する奇策に出たが、再びこれが功を奏す。千葉はスミスのファウルを引き出すべく積極的に仕掛けるが、ファウルを狙おうとしすぎてしまいシュート精度が上がらなかった。失点を防いだことでリズムに乗った富山は、マブンガの3ポイントシュート、岡田の3点プレーで逆転に成功した。

その後、ビッグラインナップを起用した千葉が再び逆転するが、ギャビン・エドワーズが速攻のダンクを失敗して逆速攻を食らい、オフェンスリバウンドから前田悟に3ポイントシュートを許すなど、突き放すことができない。さらに残り1分17秒には、富樫が個人4つ目のファウルを犯すなど波に乗れず、その後はリードチェンジを繰り返す展開が最後まで続いた。

千葉ジェッツ

スミス「私たちを倒した千葉さんが素晴らしかった」

最終クォーター残り8秒、富山はマブンガがフリースローを決めて土壇場で同点に追いつく。千葉はエドワーズにラストショットを託すが、この3ポイントシュートが外れて延長戦に突入するかと思われた。しかし、ビデオ判定の結果、0.2秒が残った状態で千葉ボールでのリスタートに。そして、前述したように、サイドラインからの浮き球をエドワーズが押し込み、千葉が勝利を収めた。

前半で個人4つのファウルを犯しながらも、その後ファウルを抑えてプレーし続けたスミスはこのように試合を振り返った。「4つ目のファウルが鳴ってから、確かにファウルは怖かったです。でも私はフィジカルなインサイドプレーヤーで、状況によってプレーを分けられる選手ではないので、その後もチームの勝利のために戦いました。今日はチームメートがよく戦ってくれたと思いますし、私たちを倒した千葉さんが素晴らしかったと思います」

初戦に続き、タフなシュートを決め続けて18得点を挙げた岡田は「アグレッシブに攻めれたことは良かったですが、4クォーターの大事なところで3ポイントシュートを外して悔しかった」と、勝利に導けなかったプレーを悔やんだ。

スミスは長い時間ファウルをしないことを最優先にしていたため、最後のロブパスに反応することができなかった。それでも、スミスが32分間の出場で24得点7リバウンドを記録したからこそ、ここまでの激闘となったのも事実。スミスが語ったように、「私たちを倒した千葉さんが素晴らしかった」試合であった。