何度も同点に追いつくも最後まで逆転できず
秋田ノーザンハピネッツvs滋賀レイクスターズの第2戦。秋田は第2クォーターにビッグクォーターを作られ最大で18点のビハインドを背負ったが、後半に盛り返し同点に追いつく粘りを見せた。それでも、残り2分を切った勝負どころでジョーダン・ハミルトンに連続で3ポイントシュートを許し74-77で敗れた。
第1クォーターは互角の展開となったが、第2クォーターに試合が動く。秋田は個の打開が増え、滋賀のスムーズなローテーションディフェンスに苦戦し、ほとんどノーマークでシュートを打つ機会を作り出せなかった。さらにインサイドでのインパクトに欠け、起点を作れないことで得点が伸び悩んだ。
こうした時こそディフェンスで踏ん張りたいところだったが、我慢ができない。プレッシャーをかけ、時にトラップを仕掛けるなど『らしさ』を見せるが、ギリギリのところで突破されてイージーシュートを許してしまう。また、タフショットを打たせてもオフェンスリバウンドを拾われ、フィフティ・フィフティのボールも相手に渡るなど悪循環となり、27-44と大きなビハインドを背負った。
しかし、前田顕蔵ヘッドコーチが「前半と後半で全く違うチームになった」と語ったように、第3クォーターに入ると秋田が猛追する。個の打開が目立った第2クォーターとは打って変わり、ツーメンゲームからの連携プレーで得点を重ねる。インサイドでの得点も増え、速攻も出始めるなど主導権を握った秋田はディフェンスの粘りも復活。タフショットを打たせ、ボールへの執着心も向上し、約5分間を無失点でしのぐと、残り1分57秒には多田武史の3ポイントシュートが決まり、48-48と同点に追いついた。
その後、秋田は何度も同点に追いつくシーンが見られたが、直後に3ポイントシュートを許すなど、ここぞの1本が止められず、オフェンスでも逆転の1本が最後まで遠かった。
最終クォーター残り1分21秒、ハミルトンにディープ3ポイントシュートを許し7点差とされたところで勝負アリ。古川孝敏の連続得点で1点差まで迫ったが、ファウルゲームのフリースローを決められ3点差で逃げ切られた。
「3ポイントシュートが入らないのであれば止めよう」
前田ヘッドコーチは「40分間タフに戦えるかというところ、こういう(競った)試合を勝ち切れるようになること」を課題としながらも、「後半のようにしっかり戦えるのであればどのチームとでも戦えると思う」と、後半のカムバックを評価した。
それでも、第2クォーターに失速した原因でもある「ミスが起こった時に、メンタル的にチームのトーンが落ちてしまう」悪癖を最も問題視し、及第点と言える内容ではなかったと語った。
秋田は古川がゲームハイの27得点を挙げたが、他に2桁得点を記録したのがハビエル・カーターとアレックス・デイビスの2人のみと得点者の偏りが目立った。3ポイントシュートが27本中7本の成功(25.9%)と低調だったことが要因の一つだが、3ポイントシュートの確率が一気に上がることはそうそうない。前田ヘッドコーチもそれを分かっているからこそ「3ポイントシュートが入らないのであれば止めよう」と、シュートに頼るではなく、我慢強いディフェンスの必要性を再確認した。
悲願のチャンピオンシップ進出を果たすには、『秋田』らしいハードなディフェンスを40分間やり遂げる強さが必要となる。