最終クォーターだけで20本のフリースローを獲得
苦しい戦いが続き東西の地区最下位と低迷しているレバンガ北海道vs広島ドラゴンフライズの第1戦。
北海道は開始2分でグレゴリー・エチェニケから個人2つ目のファウルを誘発。広島の得点頭をベンチへ追いやり、試合を優位に進めていった。第1クォーターに7つのターンオーバーを誘発したように、北海道はディフェンスが堅く、中野司の2本の3ポイントシュートやニック・メイヨのミドルシュート、ジョーダン・テイラーもスティールから速攻を繰り出すなど北海道が先行した。
北海道は前半だけで12ものターンオーバーを誘発したが、それを得点に繋げることができない。トーマス・ケネディのインサイドプレーを止められずリードを拡大できない時間が続いたが、山口颯斗がオフェンスリバウンドを獲得し、エチェニケから個人3つ目のファウルを誘うビッグプレーから勢いに乗り、38-29で前半を終えた。
だが、個人ファウル3つのエチェニケを後半頭から起用し、ゾーンディフェンスが機能した広島の猛反撃を受ける。ボールが外を回るだけになり外のシュートも入らず、ゾーンを攻めあぐねた北海道は約3分間ゴールが決まらない。守備ではエチェニケのパワープレーを止められず、田中成也の3ポイントシュートを浴び、0-9と一気に同点に追いつかれた。
それでもメイヨを起点にしてゴール下のファイ・パプ月瑠がフィニッシュする形を多く作り、スラッシャーのテイラーがドライブすることでディフェンスを収縮させるなど、苦しみながらもゾーンを攻略して再びリードを奪った。
北海道の1点リードで迎えた最終クォーター。拮抗した展開が終盤まで続くが、広島は開始3分半でチームファウルが5に到達したことが致命傷となった。ディフェンスの強度が上がりフィフティ・フィフティのボールが多くなる中でファウルがかさみ、このクォーターだけで20本ものフリースローを与えてしまった。また、広島のゾーンは効いていたが、弱点である3ポイントシュートを勝負どころで決められたことも痛かった。
残り1分12秒、ファイが苦手のフリースローを2本とも成功させて6点差とし、直後のポゼッションでケネディの3ポイントシュートが外れたところで勝負アリ。何度も1ポゼッション差に迫られたが逆転を許さなかった北海道が82-76で勝利した。
宮永雄太ヘッドコーチは「相手のインサイドに対して、パプ選手がしっかり身体を張ってディフェンスしてくれたことで相手のファウルを誘い、前半我々にアドバンテージを生み出してくれたことと、若い選手たちもしっかりディフェンスで相手にプレッシャーをかけ続けてくれたことが勝利できた要因だった」と総括。
名前の挙がったパプは攻守に奮闘し、試合のヒーローにも選ばれた。シーズンハイとなる13得点を挙げたが、自身の役割に徹した結果と胸を張った。「得点を取れる選手はチームに何人もいるので自分は数字に表れないところで身体を張ってチームの勝利に貢献できるよう頑張った結果だった」
前節の秋田ノーザンハピネッツ戦で連敗を9で止めた北海道。この勢いを維持し、3連勝と波に乗れるか。