名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

主力を欠くA東京、最後は足が止まってのフリースロー献上

名古屋ダイヤモンドドルフィンズvsアルバルク東京の第2戦。第1戦に続いて延長戦となった激闘を名古屋Dが85-83で制し、ホーム2連勝を飾った。

名古屋Dはゲーム序盤から1-3-1の変則的なゾーンディフェンスでA東京にタフショットを打たせるが、A東京は田中大貴とアレックス・カークを欠きながら、残る選手が気迫のこもったプレーを見せ、タフショットもねじ込んでいく。また第1戦で17得点を挙げた小酒部泰暉が引き続き好調で、3ポイントシュートや身体能力を生かしたペイントアタックで新たな攻撃のキーマンとなった。

33-37と名古屋Dの4点ビハインドで迎えた後半。名古屋Dのゾーンディフェンスがボディーブローのように効き始め、前半は決まっていたタフショットがリングに嫌われるように。オフェンスでは齋藤拓実がピック&ロールを起点に高さやスピードのミスマッチを突くことでチャンスを作り出し、第3クォーターを18-11として逆転に成功した。第4クォーターはどちらも主導権を得られず、昨日に続いての延長戦に突入した。

延長でも互いに運動量もインテンシティも落とさない接戦が続いたが、田中とカークを欠いてローテーションの苦しいA東京が先に限界を迎えた。一番危険な齋藤へのチェックが遅れて3ポイントシュートを決められると、残り1分半でレオ・ライオンズの強引なアタックを止められず、遅れてコンタクトに行ったデション・トーマスがファウルしたことでバスケット・カウントを献上して逆転を許す。

ケビン・ジョーンズのフリースローで一度は再逆転したものの、続く攻めでオフェンスリバウンドを競りに行った小酒部がジェフ・エアーズにファウルをしてしまう。1点勝っている残り31秒という場面、無用のファウルだったのは間違いないが、小酒部も限界まで戦った結果であり、このプレーで足を攣ってもいた。ただ、ここで与えたフリースロー2本を決められて勝負アリ。名古屋Dが85-83で激闘を制した。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

梶山信吾ヘッドコーチ「この2日間は本当に我慢してくれた」

バイウィーク明けの連戦で黒星を喫したA東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチは、「序盤は我々らしく良いペースで戦うことができた」としつつも、勝負どころでのプレーについてコメントした。「終盤からオーバータイムのディフェンスで、ライオンズ選手にバスケット・カウントでの3点プレーや(齋藤)拓実選手のピック&ロールのディフェンスをカバーしきれずに3ポイントシュートを決められてしまいました。また、勝負どころではファウルをして相手にリードを与えてしまいました。大事な場面でのディフェンスで、我々は正しいプレーをすることができなかった」

一方、試合巧者と呼ばれるA東京に対して、2日間続けての延長戦を制した名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチは「この2日間、選手たちがゲームプランを信じて、インテンシティを高くコートで表現してくれました。感謝しかありません」と選手を称えた。

「今まではどこかで我慢していた糸が切れてしまったり、集中力が切れてしまって、悪いリズムの中でなかなか自分たちの流れを引き込むことができませんでした。ただ、この2日間は本当に我慢してくれて、コミュニケーションもよく取っていました。オフェンスもディフェンスも信じてプレーしてくれたことが大きかったです」

『東高西低』のB1において、西地区3位以内でのチャンピオンシップ進出を目指す名古屋Dにとって、東の強豪であるA東京から連勝したことは単なる2勝以上の価値がある。ライバルの三河と大阪が1勝1敗で足踏みする中、名古屋Dにとっては大きな大きな『一歩前進』となった。