A東京は日本人選手のみの時間帯もチームディフェンスで耐え凌ぐ
アルバルク東京が2月14日、敵地でシーホース三河と対戦。前日に崩れたディフェンスを修正すると、第4クォーターに長距離砲の爆発で一気に突き放し90-74で快勝。前日に敗れたリベンジを果たした。
第1クォーター、三河は昨日の試合で42得点と大暴れのダバンテ・ガードナーが引き続き出だしから得点を重ね、このクォーターだけで14得点をマークする。エースの活躍で三河が先手を取ると、第2クォーター序盤に猛攻。3回連続のオフェンスリバウンドからシェーン・ウィティングトンが決めるなど分厚い攻めによってクォーター開始から怒涛の8連続得点を挙げ、リードを2桁に広げる。
だが、ここからA東京は、デション・トーマスがスピードのミスマッチを生かして、ドライブや外角シュートをうまく織り交ぜて得点を量産。4点ビハインドまで詰めて僅差で前半を終える。
後半に入っても一進一退の攻防が続くが、A東京は須田侑太郎の連続得点で残り4分に勝ち越すと、アレックス・カークの欠場もあって試合序盤からフル稼働中のトーマス、ケビン・ジョーンズを揃って下げ、残り2分からは5人全員が日本人選手の布陣を敷く。ただ、この我慢の時間帯をチームディフェンスでしのぐと、小島元基がブザービーターで3ポイントシュートを決め、60-57とリードを奪う。
理想的なクォーターの終わり方となったA東京は、第4クォーターに入っても良い流れをキープ。トーマス、安藤誓哉の連続3ポイントシュート成功で残り6分46秒にリードを一気に11点にまで広げる。その後もA東京の勢いは止まらず。3ポイントシュート6本を決め30得点のビッグクォーターを作ることで圧勝した。
「長い時間、特にディフェンスで我々のプレーができた」
A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチは「三河さんは、オフェンス効率でリーグNo.1であり、それをいかに抑えるかがポイントでした」と語り、具体的に次の抑えるべきポイントがあったと明かす。
「ガードナー選手のローポストとエルボーからの1対1。金丸(晃輔)選手はスクリーンプレーを多く使ってシュート打ちますが、サメのように素早く止まらない彼のオフ・ザ・ボールの動きをいかに抑えられるか。そして(カイル)コリンズワース選手のアーリーオフェンスからのピック&ロールに1対1と、この3つが鍵となっていました」
その上でパヴィチェヴィッチは「長い時間、特にディフェンスで我々のプレーができたと感じています」とチームディフェンスに及第点を与えている。
オフェンス面では、トーマスがゲームハイの28得点をマーク。ここまでシーズン途中からの合流もあってコンディション調整、チーム戦術への適応に苦労したトーマスだが、水曜ゲームの千葉ジェッツ戦でも勝負どころでの活躍が光るなど、ここに来て調子を上げている。
だが、パヴィチェヴィッチはトーマスについて「昨年のパナシナイコスで活躍していたレベルからは程遠いです。彼のピークにはたどり着いていません。まだゲーム勘を取り戻しているところで、もっとチームの勝利に貢献する働きができると期待しています」と、本来の力はもっと上のところにあると満足していない。
「まだ、チームのスタンダードを上げていく必要があります。遂行力を少なくともあと10%、15%は高めていきたい」と指揮官は語るが、そのためにトーマスの一刻も早い完全復活も重要な要素になってくる。
「ここからしっかり練習できる期間があります」
一方、三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは、こう敗因を語る。「A東京さんが出だしからアグレッシブに来た中、前半はうまくいきました。ただ、相手がダバンテ、金丸選手と的を絞って守りにきた中、周りの選手がオープンになっても打たない。それでオフェンスが重くなって1対1が多くなってしまいました。逆に守りでは相手のトーマス選手が1対1を仕掛けた時、周りのヘルプが遅れてしまいました」
今日は大敗を喫した三河だが、第1戦で勝利し連敗を4で止めてバイウィークに入れたのは明るい材料だ。「チームは良くなっていますが、今は歯車が狂いやすい状況にあると思います」と現状を分析する指揮官は、このバイウィークでの立て直しには自信を見せる。「ここからしっかり練習できる期間があります。これまでも中断期間中に内容を良くして、その後の試合では良い感じで勝利しています」
実際、今シーズンのバイウィーク明けの三河は、12月2日の琉球ゴールデンキングス戦、1月23日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦と上位対決にそれぞれ勝利している。今回の中断明けは、27日、28日と敵地に乗り込んでリーグ最高勝率の宇都宮ブレックスが相手となる。ここでもしっかり結果を残し、続く3月3日の琉球との西地区首位決戦に向けて弾みをつけられるかは、三河にとって大きなターニングポイントになってくるはずだ。
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