デリック・ローズ

ピストンズにはデニス・スミスJr.と2巡目指名権を譲渡

ニックスがデリック・ローズをトレードで獲得した。ピストンズにはデニス・スミスJr.と今年の2巡目指名権が譲渡される。

ピストンズは5勝18敗とリーグ最下位。セカンドユニットのオフェンスを引っ張る役割で結果を残すローズにはステップアップの機会が待たれていた。ニックスは長らく低迷し、7シーズン連続でプレーオフ進出を逃しているチームではあるが、今シーズンここまで11勝14敗の8位とプレーオフ進出ラインに位置している。今シーズンからチームを率いるのは、ローズを長く指導したトム・シボドーだ。有望な若手が揃うも経験を欠くチームに、ローズは最適な補強となる。

ニックスのポイントガードはエルフリッド・ペイトンが先発で、2番手を務めるルーキーのイマニュエル・クイックリーがブレイク中。それでも、もともとシーズン前にはクリス・ポールやフレッド・バンブリートといった大物の獲得に動いており、このポジションの補強を必要としていた。ペイトンやクイックリーの成長を考えればこのままプレータイムを与えたいところだが、若手の成長を優先してチーム成績を犠牲とすることはあり得ない。

ローズが加わることで特にオフェンス面は大幅に強化される。ニックスの平均得点102.7はリーグ最下位の数字。得点自体の底上げはもちろん、クラッチタイムを任せられるエースという意味でもローズへの期待は大きい。

現地7日のヒート戦を終えた時点でトレードはまだ決まっておらず、指揮官シボドーは「今いる選手たちのことを考えたい」と、かつての教え子を獲得する噂についてコメントしようとはしなかった。それでも彼には、これまで何度も語ってきたローズへの思いがある。

「私が率いたブルズには、史上最年少でMVPに輝いたデリック・ローズがいた。あの時のチームなら、優勝できる可能性があった。残念ながらデリックはケガをしてしまったが、もしあのケガがなければ優勝できていたはずだ」

RJ・バレット、ジュリアス・ランドル、ミッチェル・ロビンソン、オビ・トッピン、ペイトンにクイックリー。有望な若手を成長させ、勝たせて自信をつけさせる。そこに『コンディションが万全なローズ』がいれば、大きな仕事を成し遂げられる。ブルズとティンバーウルブズで果たせなかったシボドーの夢はここで実現するのか。生まれ変わったニックスの今後に期待したい。