12月6日、7日以来となる同一カードでの連勝を果たす
2月7日、川崎ブレイブサンダースがシーホース三河とホームで激突。第4クォーターに猛追を受けてしまったが、篠山竜青の3ポイントシュートなどで勝負どころを決めきった川崎が96-93と激闘を制した。
第1クォーター、川崎はニック・ファジーカス、三河は金丸晃輔とともにエースが決めて互角の出だしとなる。川崎はこのクォーターだけでファジーカスが3ポイントシュート3本成功と牽引するが、三河も終盤にダバンテ・ガードナーのペイントアタック、柏木真介の3ポイントシュートとベテランが要所を締めて同点で終える。
第2クォーターはボールを大きく動かしてバランス良く得点を重ねる川崎に対し、三河はガードナーと金丸のダブルエースで応戦し、一進一退の攻防となる。だが、終了間際に川崎は藤井祐眞の連続スティールから得点に繋げ5点リードで折り返す。
後半に入っても川崎は前半の終盤でつかんだ良い流れをキープする。特にこの試合で30得点をマークしたファジーカスが大暴れし、開始早々にリードを2桁に広げる。その後も川崎はオフェンスリバウンドなど球際の競り合いで上回ったことで分厚いオフェンスを展開し、14点リードにまで突き放す。
このまま川崎が一気に押し切るかと思われたが、第4クォーターに入ると三河が猛追する。原動力となったのは得意の外角シュートにゴール下への効果的なダイブによりこのクォーターだけで13得点を挙げたシェーン・ウィティングトンと、ここまで出番がなかった長野誠史だ。
三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは、長野起用の意図をこう語る。「相手は2ガード、我々は1ガードで、2番のスピードのミスマッチなどを突かれていました。本来なら金丸選手、川村(卓也)選手を両方出したい。得点を取ることに対してはそちらの方が良いです。しかし、長野選手はディフェンス力があるので、エナジーを使って守備から主導権を取れるようにするため投入しました」
長野はこの期待に応えて守備で奮闘すると、積極的なプレーで7得点、3アシストと攻撃でも活躍する。これで流れを変えた三河は残り1分49秒、川村の3ポイントシュートで86-86と遂に追いつく。
鈴木貴美一ヘッドコーチ「ミスが多かったのと、最も悪かったのはリバウンド」
だが、ここで川崎はファジーカスが流石のフリースロー獲得で流れを切る。そして2点リードで迎えた残り35秒、タイムアウト後のオフェンスでボールを運んだ篠山がそのままプルアップ3ポイントシュートを沈めて突き放した。
「3番ポジションのところで時間をかけて、一回ディフェンスを縮めてから攻める。もしくは祐眞か竜青によるトップからダブルのピック&ロールで行くか、2つオプションがありました。それをその時出ていた5人の選手に率直に話して決めました。非常に勝負強い一本だったなと思います」
佐藤賢次ヘッドコーチがこう称えた一撃が決め手となり、川崎は12月6日、7日のレバンガ北海道戦以来となる同一カード2連勝を果たした。そして指揮官はこう総括する。「まずは同一カードで連勝できて良かったです。金丸選手のところで何本かやられましたが、しっかりディフェンスをやりきったので第3クォーターまでは良かったです。そして相手のオフェンスリバウンドは4本で、チームで取り切ろう、ビッグマンだけでなく苦しい時は弾いてチームで取ろうと掲げていたことができたのは大きかったです」
「ただ、第4クォーター、もう一つのやられてはいけなかったウィティングトン選手のオフボールの絡みから連続で3ポイントシュートを決められてしまった。そして何度も良いスクリーンをかけられ、コミュニケーションミスもあって、オープンを作られたのが続きました。もう少し40分間、ソリッドに戦っていかなければいけないという課題もありました」
一方、三河の鈴木ヘッドコーチは、次のように振り返る。「出だしは重かったですが、最終的には我々の動きができたと思います。ただ、勝てなかったので非常に残念です。ミスが多かったのと、最も悪かったのはリバウンドでゴール近辺に落ちたのがことごとく取られてしまったところだと思います」
この両指揮官が図らずも強調したリバウンドは、川崎の35-25。特にオフェンスリバウンドは15-4と大きな差がつき、川崎は篠山が5つを記録。佐藤ヘッドコーチが試合前に強調したチームで取るリバウンドが大きな勝因となった。
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