日本の吉田がアシスト女王、渡嘉敷も得点3位に
リオ五輪の女子バスケットボール最終日、アメリカは決勝でスペインと対戦し、101-72で勝利して金メダルを獲得、オリンピック6連覇を果たした。
マヤ・ムーアの3ポイントシュートで先制するも、スペインの組織ディフェンスをなかなか破ることができず、序盤は点差が付かない接戦に。それでも第2ピリオド中盤からアメリカはギアを上げ、相手の堅守を崩し切らないまま放つタフショットや3ポイントシュートを強引に押し込んでいく。
試合の流れを引き寄せる決定打となったのは、第2クォーター残り6分を切ってからのディアナ・トーラシが連続で決めた3ポイントシュートだ。残り6分54秒の時点で27-24とワンポゼッションで食らい付いていたスペインだが、時計が残り5分21秒になった時には35-24と2桁の点差が開いていた。
流れをつかんだら一気に押し切る力は、準々決勝の日本戦でも見せたアメリカのストロングポイント。ディフェンスもさらに引き締まってスペインに踏みとどまる機会を与えず、第2クォーターの最後は相手のパスミスからファストブレイクを決め、49-32と17点までリードを広げた。
後半は一方的なアメリカのペースに。第3ピリオドは11-0のランを含む猛攻で32点を荒稼ぎ。ラストプレーでスペインがコート中央からのロングシュートを決めるも焼け石に水で、最終クォーターに入る時点で81-49と大差を付けて、試合を決めてしまった。
アメリカはフィールドゴール率58.6%(70本中41本)、3ポイントシュートは15本中9本を沈めた。リバウンドはスペインの28に対し51と圧倒。決勝も12人のメンバー全員をローテーション起用し、5人が2桁得点を記録した。
攻守にチームを引っ張り、アテネ大会から数えて4つ目の金メダルを手にしたトーラシは優勝を決めた会見で「このチームは私が今までプレーしてきた中でも一番、アンセルフィッシュなチームでした」と、スター選手たちが自己犠牲を惜しまず、チームプレーに徹したことを強調した。「金メダルを獲得した、それ以上の何かを得られたように感じています」
敗れたスペインだが、自国開催のバルセロナ五輪(1992年)の初出場以来3度目のオリンピックで初のメダル獲得となった。スペインのポイントガード、シルビア・ドミンゲスは言う。「第1クォーターで互角に戦えたことには満足しています。その後はアメリカに『ドリームチーム』であることを証明されてしまいましたが。でも、この先何年かのうちに、きっとアメリカを打ち倒してみせます」
決勝の前に行われた3位決定戦ではセルビアがフランスを下し、銅メダルを獲得している。
これで女子バスケットボールは全日程が終了した。得点王は6試合で平均23.5得点を記録したエリザベス・キャンベージ(オーストラリア)。2位は6試合で平均22得点のラトーヤ・サンダース(トルコ)。そして3位には日本の渡嘉敷来夢が、6試合で17.0得点でランクインした。
またアシスト部門では1試合平均8.7アシストの吉田亜沙美が1位。2位のペニー・タイラー(オーストラリア/平均5.5アシスト)に大差を付けてのアシスト女王となった。