千葉ジェッツ

僅差でリードする展開、ディフェンスで勝機を見いだす

2月3日、千葉ジェッツが敵地に乗り込んで川崎ブレイブサンダースと激突。ターンオーバー24とオフェンスでミスを多発するも、身体を張った粘りのディフェンスを最後まで継続し、我慢比べの戦いを77-67で制した。これで千葉は天皇杯を含め今シーズン2敗している川崎にリベンジ、2021年に入って初の連勝を達成した。

第1クォーター、千葉は富樫勇樹とセバスチャン・サイズのコンビで得点を重ねて先手を取る。リバウンド争いで優位に立つ千葉はトランジションからジョシュ・ダンカンがレイアップを決める得意の展開に持ち込み、ダンカンの3ポイントシュートでリードを11点にまで広げた。

千葉の7点リードで迎えた第2クォーターの序盤、両チームとも帰化枠、外国籍2名の布陣で臨む中、川崎はマティアス・カルファニがシャノン・ショーターのマッチアップで生まれるミスマッチを起点に攻撃。ポストアップしたカルファニからのパスアウトで大塚裕土が3ポイントシュートを沈めるが、千葉もショーターが高い個人技から連続で外角シュートを沈めて譲らない。

また千葉は、ゴール下での粘り強いディフェンスで川崎のペイントアタックをよく抑える。川崎はアウトサイドシュートで打開したいが単発での攻めも目立ち、3ポイントシュートは前半18本中3本成功のみ。原修太がブザービーターとなる3ポイントシュートを決めた千葉が9点リードで試合を折り返した。

第3クォーター、川崎はファジーカス、ジョーダン・ヒースの連続成功と前半不発だった3ポイントシュートが決まり勢いに乗ると、ファジーカスのバスケット・カウントによって開始3分で1点差まで一気に迫る。しかし、直後に千葉は試合全体でフィールドゴール11本中7本成功の17得点と活躍したショーターがドライブからのバスケット・カウント、速攻からのレイアップを決める連続得点で盛り返した。

富樫勇樹

「誰も調子が良くない」苦しい時期に価値ある1勝

第4クォーターも千葉が僅差でリードする緊迫の展開が続く。それでも中盤になると千葉がサイズのインサイド、ターンオーバーからの速攻によるギャビン・エドワーズのレイアップで連続得点。さらに原が3ポイントシュートを沈めて9点リードとし、川崎はたまらずタイムアウトを取る。

ここで仕切り直したい川崎だったが、直後のオフェンスで8秒バイオレーションを喫するなどちぐはぐな攻めが続く。こうして主導権を握り続けた千葉がそのまま逃げ切った。

千葉の大野篤史ヘッドコーチは「オフェンスでは24個のターンオーバーを喫してしまいましたが、ディフェンスで勝機を見いだせました。泥臭く40分間ボールを追いかけ続けた結果です」と守備の勝利だったと振り返る。

その中でもそれぞれの選手が1対1のディフェンスで踏ん張ったことを評価する。「ヘルプ云々より自分で守り切るメンタリティが必要です。大事なのはまずヘルプに頼らないことで、ヘルプを受けるに値するディフェンスをしなさいと伝えました。彼らも2回負けているので気合が入っていました」

今の千葉は「チームの中で、誰も調子が良くない」と指揮官が語る苦しい時期にあるが、それでも31日の大阪エヴェッサ戦(76-70)に続き、相手を70点以下に抑えて競り勝った。「オフェンスでなかなかペースがつかめない中、ここ2試合は守備で我慢して勝てています。この自信を過信にしないように。ディフェンスをベースにオフェンスのリズムが戻るまで我慢することをやっていきたいと思います」

こう大野ヘッドコーチが語るように、少しずつではあるが状態が上向きになっていることを示した今回の勝利となった。

川崎ブレイブサンダース

ポゼッションで圧倒するも「シュートが入らなかった」

一方、川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは「非常に悔しい敗戦になりましたが、試合を通して選手たちはハードなディフェンスをずっと続けてくれていました。相手のターンオーバーが24という結果ですので、そこは本当によく頑張ってくれたと思っています」と振り返った後、敗因をこう語る。

「ポゼッションで数字的には圧倒しましたが、シュートが入らなかった。そこが最後まで響きました。ゴールにアタックしていくシーンが少なかった。オープンショットは作れましたが、ペイントタッチが少なく流れに乗った良いシュートが足りなかったです。また、40分激しいディフェンスをやれたと思いますが、逆サイドの一番下のヘルプがいない。やらせていいシュート、やらせていけないシュートがある中、何本かやらせていけないシュートを打たれてしまいました」

連敗の川崎は土曜、日曜と西地区首位のシーホース三河をホームで迎え撃つ。現在、東地区6位であり、チャンピオンシップ出場に向けた上位戦線をキープするためには大きな踏ん張りどころだ。