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46点差の大勝も、選手たちの意見は「厳しい試合だった」

女子バスケットボール準々決勝、金メダルの最有力候補であるアメリカは、今大会の台風の目となった日本を110-64の大差で下した。だが、前半は日本のペースで試合を進められ、思わぬ苦戦を強いられたことで、試合後はどの選手も口々にAKATSUKI FIVEの戦いぶりを称えた。

試合を終えた直後、チームUSAのシルビア・フォールスはこう語った。「正直なところ、こんなに厳しい試合になるとは思っていませんでした」

チームUSAを率いるジェノ・アウリエンマは序盤の思わぬ苦戦について「これまでに私がチェックした試合以上に、日本は動きもボール回しもスピードを増していたからだ」と説明した。

「日本のペースで前半が進んだことには危機感を覚えました」。こう会見で試合を振り返ったのはゲームハイの19得点を挙げたディアナ・トーラシだ。「ハーフタイムでロッカールームに戻った時に、『絶対に勝たなければ』と強く思いました。こんなことは初めてです」

同じく19得点を挙げたマヤ・ムーアも「日本は最後まで諦めなかった」と語った。「ステップバックして3ポイントシュートを狙ってきた。勝利に対して貪欲だし、それぞれがコート上のどこにいても高い意識を持って、アグレッシブに連携してきました」

ムーアの印象に残ったのは、日本の戦う姿勢だ。「日本はメダルを取るためにオリンピックに来ていました。『そんなの無理だ』と考える意識の低いチームもいるだろうけど、私たち(アメリカと日本)はメダル獲得を目指して勝つことに集中するチームでした」

そんな日本に対する勝因を挙げるとしたら? ムーアはこう答えている。「アメリカは困難に真っ向から立ち向かうチームです。多少苦戦したところで、無駄に走って疲れないためには慌てないことです。アメリカは慌てませんでした。それは十分な経験があったからです」

13分強の出場で13得点と勝利に貢献したエンジェル・マコートリーは言う。「コートの端から端まで日本の選手を追いかけるのは本当に大変でした。でも、私たちはこういう試合を求めていた。これが私たちに必要だったんです」

マコートリーは自らのTwitterアカウントでも、日本代表チームを称賛するツィートを投稿。社交辞令ではなく、よほど日本のパフォーマンスが心に残ったようだ。

最後に、ディアナ・トーラシが日本に対する最大級の賛辞を残して会場を引き上げた。「世界のトップ4とかトップ5のチームと比べても、ほとんど差はないと思います」

アメリカは現地時間の18日(日本時間19日早朝)にFIBAランキング4位のフランスと準決勝で対戦する。順当に勝ち上がれば現地20日、スペインとセルビアとの勝者と金メダルを懸けて決勝を戦う。

トーラシはスー・バードがケガで退いた後にポイントガードとして吉田とマッチアップした。