ウォリアーズ

カリーもグリーンも、セカンドユニットの働きを称賛

NBA30チーム中トップの10勝4敗、さらには5連勝中と勢いに乗る昨シーズンの王者レイカーズを、ウォリアーズが止めた。

試合はレイカーズのペースだった。ハンドラーのデニス・シュルーダーがリズムを作り出し、バランス良く得点を重ねることで、試合開始から10分で19点のリードを奪う。第3クォーターにステフィン・カリーにアシストを連発されて1ポゼッション差まで詰められるも、ここでレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスが雰囲気して再びリードを2桁に広げて終盤を迎えた。

完全にレイカーズの流れだった試合を変えたのはドレイモンド・グリーンだ。ティップオフから終盤まで一度もリードできない試合展開の中で、彼はチームメートを鼓舞し続け、時には怒鳴りつけて接戦を作り上げてきた。その指示のほとんどはディフェンスの修正で、レイカーズの選手に疲れが見えてきた終盤に、ウォリアーズのチームディフェンスがピタリとハマった。

周囲の選手の運動量が落ち、オープンにならないことでシュルーダーからボールが離れなくなり、レイカーズの攻めは停滞。苦しい時こそ武器となるレブロンとデイビスのピック&ロールにも、グリーンがチームメートと連携して対処した。リズムが悪くなったことでレブロンにトラベリング、カイル・クーズマがボールのないところでカリーを突き飛ばすオフェンスファウル、またレブロンのリスタートのパスをケリー・ウーブレイJr.に狙われてとターンオーバーを連発した。

この間にウォリアーズはウーブレイJr.にグリーンと、ディフェンスで勢いに乗った選手が連続得点を挙げて逆点に成功。残り2分40秒で初めてリードを奪った。

この試合でカリーはシュートタッチが不調で、3ポイントシュートは10本放って成功わずか2本とブレーキになっていた。それでも残り1分、112-110の場面ではステップバックしてマークするアンソニー・デイビスから距離を取ってのディープスリーをねじ込み、試合を決める働きを見せた。ここで得たリードを守り切ったウォリアーズが、115-113で大逆転勝利を収めている。

「冷静にプレーし続けられたことが大きいね」とカリーは勝因を語る。「セカンドユニットも頑張ってくれた。後半になって勢いが出て、チャンスが生まれた。もうちょっと早くリードできたらもっと良いんだけど(笑)」

エリック・パスクホール、ケント・ベイズモア、ブラッド・ワナメイカーといったセカンドユニットがウォリアーズを支えている。ドレイモンド・グリーンは「彼らが勢いを作り出すこともあるし、僕たち先発が作ることもあるけど、大事なのは選手が入れ替わっても良い流れを途切れさせないこと。今日はそこでレイカーズとの差を出せた」と語る。

そしてもう一人、今シーズンに加入してクレイ・トンプソンの代役としてシューティングガードを務めるウーブレイJr.の活躍も光る。グリーンは攻守にアグレッシブにプレーする25歳の彼を「偉大なプレーヤーになりつつある。活躍するたびに自信を増して、このチームで道を見いだしている。この調子で積み上げてほしい」と称賛する。

『コート上の指揮官』グリーンの復帰からウォリアーズは上向いている。王者レイカーズに食らい付いての逆転勝利は、チームに新たな勢いをもたらすことになりそうだ。『脇役』の選手たちも自信を付けてきたウォリアーズは、さらに調子を上げてきそうだ。