ハーデンは34得点12アシスト、加入から2連勝
東カンファレンスのトップチームであるバックスを相手に、ジェームズ・ハーデンが加わったネッツがどこまで戦えるか注目された一戦は、最後の最後まで分からない接戦の末にネッツが競り勝った。
1ポゼッション差で推移する第4クォーターの終盤、ネッツはケビン・デュラントとハーデンが交互にアイソレーションで攻め、ハイペースで得点を重ねていく。バックスはこれにヤニス・アデトクンボとクリス・ミドルトンの得点で対抗して派手な打ち合いの展開となった。
完全な個人技勝負の展開を制したのはネッツだ。残り40秒、ハーデンが自ら放った3ポイントシュートがリングに弾かれると、抜け目なくこのリバウンドを拾ってデュラントにボールを回す。デュラントはトップの位置から3ポイントシュートを沈めて、土壇場でネッツが逆転に成功。そのまま125-123で勝利した。
ハーデンは41分のプレーで34得点12アシスト、デュラントも30得点9リバウンド6アシストを記録した。ジョー・ハリスが20得点、ジェフ・グリーンが14得点、ディアンドレ・ジョーダンが13得点とスタメンの5人は結果を出したが、セカンドユニットの4人で合計15得点とバランスは悪い。
ハーデンは加わったばかりで連携は不十分。それ以上にジャレット・アレンやキャリス・ルバートといったローテーションの主軸選手が抜けた穴をどうカバーするかが課題となっている。それでも、バックスを相手に個人の力だけで互角に渡り合い、押し切るのだから、そのポテンシャルには夢を見たくなる。
「ぶっつけ本番で学んでいる」とハーデンは語った。「一緒にプレーするのはこれが2試合目で、チーム練習にはまだ一度も参加できていない。それでも映像を見て、本能に任せてプレーし、試合の中から学んでいる。僕らにとっては大きな勝利だ」
圧倒的な個の力が際立つが、少なくともハーデンとデュラントの両エースの呼吸は合っている。サンダーでプレーした過去の経験が生きているのだろうか。ハーデンは「オクラホマシティにいた頃は若かったけど、今は成長した。今の僕らはシュートとダンクをしたい若手じゃなく、本当の意味でゲームを理解している。より高度なバスケットボールができるようになっている」と言う。
指揮官のスティーブ・ナッシュは「勝つか負けるかの試合を勝っていく、今夜のような試合をチーム一丸で乗り切っていくことが大事なんだ」と試合後の会見で語った。
大型トレードでハーデンという武器は手に入れたが、チームはゼロから作り直しとなった。またカイリー・アービングは7試合連続で『個人的理由』での欠場となり、いつチームに戻って来るのかはいまだに分からない。現状では課題だらけだが、勝てば問題は隠される。この試合でもカイリー不在を痛手だと感じさせない勢いがあった。
アービング問題にカタを付け、チームの再構築を進めるには時間がかかる。その作業に落ち着いて取り組むためにも、目の前の試合にきっちり勝つことは、今のネッツには極めて重要だ。