写真=Getty Images

10歳の天才スイマーはジョーダンにあこがれNBAを目指した

競泳のアメリカ代表選手、マイケル・フェルプスは、リオ五輪でも金メダル5個、銀メダル1個を獲得。これでキャリア通算で金23、銀3、銅2という、五輪史上最多となる28個のメダルを獲得。『史上最強のスイマー』の名を欲しいままにしている。

ただ、フェルプスが10歳だった1995年、彼よりも速いタイムを記録したスイマーが、後にNBA選手になったことは、あまり知られていない。その選手とは、ホークスのクリス・ハンフリーズだ。

フェルプスと同じ10歳だった95年、ハンフリーズは50メートル自由形、100メートル自由形、50メートルバタフライ、50メートル背泳ぎ、50メートル平泳ぎ、200メートル個人メドレーで、同年齢の選手としては最速となるタイムを叩き出した。

ハンフリーズは、50メートルと100メートル自由形を含め、競泳3種目で年代別記録を樹立したことがあり、全米競泳界のユース記録を18年以上保持している。後に全米記録は塗り替えられたものの、ミネソタ州の大会で記録した2桁を超える年代別記録は、いまだに塗り替えられていない。

アメリカを代表する競泳選手になっていた可能性があったハンフリーズがNBA選手を志したのは、マイケル・ジョーダンのプレーを見たことで水泳への情熱が薄れたからだ。

2003年、ハンフリーズは『People』のインタビューで、こう語っている。「昔は水泳が周りよりあまりにも上手で、燃え尽きてしまったんだ」

「それと同時に、僕はマイケル・ジョーダン時代に育った。バスケットボールを見て、チャレンジだと思った。幼い頃、特別何かに秀でていると、集中を持続させるのが難しい。それからしばらくして僕はバスケットボールを選び、夢中になった」

残念ながら、ハンフリーズが泳ぎの実力を正式な大会で披露する機会は訪れないだろう。だが、31年前は、後に伝説となるフェルプスよりも速かったことは事実だ。

Pool workout. Swimming isn't that easy anymore.

@krishumphriesが投稿した写真 –

水泳からバスケットボールに転向し、NBA選手になれただけでもすごいことだが、水泳でもトップクラスの成績だったことを考えるとその運動神経の高さには驚かされる。