球団社長「チームに合流できるまで彼をサポートしていく」
ジェームズ・ハーデンを中心とする4チーム間の超大型トレードで、ペイサーズは元エースのビクター・オラディポを放出し、新たなエース候補となるキャリス・ルバートを獲得した。しかし、トレードを正式に成立させるために必要なメディカルチェックで、彼の腎臓に小さな腫瘍があることが判明。しばらくは治療に専念することになった。
ペイサーズはオラディポとの交換でルバートとロケッツが保持していた2023年の2巡目指名権を得ていたが、ルバートの健康問題が判明したことで、追加で2024年の2巡目指名権と現金を得ることになった。
ルバートは次のようなコメントを発表している。「家族と僕自身を代表してペイサーズのサポートに感謝したい。一日も早くチームに合流して、この素晴らしい組織の一員になることを楽しみにしている」
また球団社長のケビン・プリチャードは「キャリスの前には素晴らしいキャリアが待っている。この時期は全力で彼をサポートしていく」とのコメントを発表した。
ビクター・オラディポは2019年1月に右足大腿四頭筋腱断裂を負った後、それまでのような得点力を発揮できていない。身体は完全に回復しているはずで、問題はメンタルの方。自信を取り戻せないことで、チームへの愛情も揺らいでしまったようだ。2019-20シーズン開幕前に球団が提示した4年8000万ドル(約85億円)のオファーを断ったと報じられており、昨シーズンには移籍をほのめかす発言を何度かしていた。
そのオラディポに代わる新たなエース候補として、ペイサーズのルバートに対する評価は非常に高い。ヘッドコーチのネイト・ビョーグレンは、「守る側からすれば非常に扱いづらい選手」という言葉でルバートを称賛する。昨シーズンまでラプターズのアシスタントコーチを務めていた彼は、昨シーズンのプレーオフ1回戦でネッツと対戦する際にルバートのことは調べ上げたそうだ。
ルバートは昨シーズンに1試合平均18.7得点、今シーズンはここまで12試合に出場して18.5得点を記録している。エースとしては少々物足りない数字だが、カイリー・アービングとケビン・デュラントが中心のネッツを離れれば、また違う結果が出るとビョーグレンは考えているようだ。実際、デュラントとアービングが揃って欠場した今月のグリズリーズ戦ではネッツのオフェンスのファーストオプションとなり、43得点を記録している。
まずは健康を取り戻すことが第一。その後にルバートがペイサーズの新たなエースとなれるか、注目して見守りたい。