広島ドラゴンフライズU15

勝利にこだわる采配も力負け

『Jr.ウインターカップ2020-21』3日目、広島ドラゴンフライズU15は八村塁、馬場雄大を輩出した奥田中のメンバーで構成される奥田バスケットボールクラブに47-62で敗れ、3回戦で姿を消した。

広島U15の尺野将太ヘッドコーチが「前半は良いところがすべて出た」と語ったように、得点源である高田将吾をファウルトラブルに追い込み、30-22とリードして前半を折り返した。それでも、強度を高めた相手ディフェンスを攻略できず、第3クォーターに2-20と失速し、そのままタイムアップを迎えた。

「打つ判断をするならブロックされないように、パスをさばくならどこにさばくかを考えた上でプレーする。1対1の最後の判断は選手たちに任せていて、そこは相手のほうが上でした」と尺野ヘッドコーチは敗因を語ったが、先を見据え、選手の判断力を向上させる指導方針を取っているため、どこか納得といった表情を浮かべていた。それでも、ローテーションの人数を少なくし、勝利にこだわった采配をしたため、同時に悔しさも滲ませていた。

広島ドラゴンフライズU15

豊富な指導経験を持つも「全国大会は初めてなんです」

今大会は中学、クラブチーム、Bリーグのユースとカテゴリーの垣根を越えた初の大会だ。カテゴリーごとに采配や戦術などの違いが色濃く出ると予想されたが、尺野ヘッドコーチはそうした型にはまった違いはなかったと感想を語った。

「BユースはBユースっぽいバスケ、部活だと部活っぽいバスケというなんとなくのイメージがありました。昨日は中学校と対戦して、今日は奥田バスケットボールクラブと対戦しましたが、そういった感覚を超えたモノがありました」

また、この記念すべき大会に参加できたことに喜びも感じていた。「普段やらないチームと対戦できるのは選手にとっても良い経験でした。どのカテゴリーが良いのではなく、それぞれで切磋琢磨して高め合っていける環境が整っていくと思うので、その第一回に参加できたことは僕も良かったです」

尺野ヘッドコーチは高校、女子日本代表、Bリーグなど、様々なカテゴリーで指導経験を積んできた。それだけに全国大会の経験も豊富なように思えるが、以外にも今回が初めての全国大会だったようだ。「世界選手権も行きましたし、アジア選手権も行きました。男女のプロもやってきましたが、全国大会は初めてなんです。全国に連れてきてもらって、1勝できたので子供たちに感謝したいです」

それぞれのカテゴリーのプライドを背負い、激闘が繰り広げられてきた『Jr.ウインターカップ2020-21』は明日が最終日。引き続き、準決勝と決勝が同日に行われるタフな日程となる。初代日本一を勝ち取るのはどのチームか、最後まで見守りたい。