桜花学園

高知中央のゾーンディフェンスを攻略

ウインターカップ5日目。女子の準決勝が行われ、桜花学園が84-64で高知中央を下し、危なげなく決勝進出を決めた。

高知中央は立ち上がりからゾーンディフェンスを仕掛けるが、桜花学園はペイントアタックやパス回しでズレを作っては江村優有を中心に全員が積極的にシュートを放つ。オコンクウォ・スーザン・アマカはインサイドで2人、3人に囲まれながらもシュートまで持っていき、外れても自らリバウンドを取って得点へと繋げる。江村やアマカだけでなく、朝比奈あずさのドライブ、佐藤多伽子のフェイントからのシュートなど、ボールと人がしっかりと動くことで自分たちのリズムで次々とシュートを放ち、開始4分で17-9と主導権を握る。

朝比奈が「相手チームはピックからの攻めが多かったので、2人だけじゃなくて、チーム全員でカバーして守りました」と語ったように、スピードが持ち味である井上ひかるのドライブにはアマカや朝比奈がしっかりとヘルプに入りコースを塞ぐ。高知中央は桜花学園の隙のないディフェンスに苦戦し、井上の得点は伸び悩んだが、ンコウォ・マーベラス・アダクヴィクターを起点とした攻撃でなんとか桜花学園に食らいつく。

44-31と桜花学園のリードで迎えた後半。桜花学園は高知中央に連続得点を許して点差を縮められる場面があっても全員が冷静にプレーし、フリーの選手を見つけては確実に得点へと繋ぐ。ディフェンスでも高知中央をペイントエリアに入れさせずにタフショットを打たせ、アマカだけでなく全員でリバウンドを取りにいき64-32とリバウンドを圧倒。こうして最後まで自分たちのペースでバスケットを遂行した桜花学園が84-64で勝利した。

桜花学園

「シュートは絶対に決めきりたい」

この試合で桜花学園はキャプテンの江村が31得点、アマカが28得点36リバウンドを記録。そして2年生ながら主力メンバーである朝比奈は、アマカがインサイドで厳しいマークを受ける中で合わせに入ったり、リバウンドをモノにしたりと第3の選手として勝利に貢献した。しかし、「ディフェンスの簡単なミスやルーズボール、リバウンドを取り切れていない部分がありました。基本的なディフェンスのところをもっと徹底してやること、シュートは絶対に決めきりたい」と、朝比奈は真っ先に反省を語った。

そのため、準決勝の舞台で14得点4リバウンド2アシスト1スティール1ブロックと堂々たるプレーで存在感を発揮したが、本人は満足していない。「ノーマークなのに外してしまうことが多かったので、次は決められるようにしたいです。まだ満足はしていません」

目標の日本一までは、あと1勝だ。朝比奈は3年生への感謝の気持ちを込めて、こう意気込みを語った。「3年生はすごくチームを引っ張ってくれるし、自分が上手くいっていない時にも『頑張ろう』と上げてくれるので、感謝の気持ちがすごくいっぱいあります。最後の決勝の舞台では3年生を助けられるような活躍ができるように頑張りたいです」