白鴎大学足利は高さだけでなく運動量でも相手を圧倒
ウインターカップ1回戦、白鴎大学足利と県立広島皆実の対戦。人とボールがよく動くバランスの良いバスケを展開しつつ、ボールへの執着心も40分間見せた白鴎大学足利が102-77で快勝した。
広島皆実はスタメンに170cm台の選手がいない小さなチームで、平面のバスケで勝負したかったところだが、立ち上がりから運動量で白鴎大学足利が上回る。フットワークが良く、長い腕を伸ばして隙あらばティップする白鴎大学足利のディフェンスにリズムを崩された。白鴎大学足利の運動量はオフェンスでも効果的に生きた。ハーフコートでも広くポジションを作って、アタックする選手のスペースを作り出す。ドライブで仕掛ける江原彩華に加え、174cmの清水絢と172cmの丸山陽加がサイズを生かして高確率でシュートを決めていく。またそこからのキックアウトも決まり、リードを広げていった。
広島皆実は第3クォーター途中からギアを上げて反撃に出る。ボールをシェアするバランスアタックで相手のディフェンスを崩せないと見て、丸山愛友がここはエースの仕事と言わんばかりに個の力で強引にこじ開けて得点を奪い、チームに流れを呼び込む。
しかし、白鴎大学足利は相手の反撃に押し込まれても落ち着いていた。戻りを早くして速攻でのイージーなチャンスを与えないことを第一に、粘り強く相手の時間帯を耐えて、押し戻す。また高さを生かしてリバウンドを制したことも、崩れない要因となった。
73-60と広島皆実が逆転の可能性を残すスコアで最終クォーターを迎えるが、追い付きたい気持ちがミスに繋がる。ターンオーバーと攻め急いでの確率の悪いシュートを打ってしまい、リバウンドも取れないことで逆に点差が開き、25点差で試合終了となった。
「始めから自分たちのバスケができなくて、それを修正する練習をしてきたのに本番でできなくて、悔いしかありません。声を出せばみんなで共通意識を持ってプレーできると思ったんですけど、声を出してもプレーに反映させられませんでした」と、広島皆実のエース、丸山は目に涙を浮かべる。
これで彼女たちの高校バスケは終わり。丸山が感謝したのはチームメートで、特に切磋琢磨してきた廣田萌々には特別な思いがあった。「プレーを成功させるためにお互いに言いたいことを言い合って、ずっとケンカしながらでしたけど、ここまでやってこれたことに感謝しています」
そして丸山は「コロナ禍の中でこのような会場を準備して、ウインターカップをやらせていただいたことに感謝しています」と、この舞台を整えた関係者への感謝も忘れなかった。
勝った白鴎大学足利は、1回戦で日本航空を破った大阪薫英女学院と対戦する。