上半身が一回り大きくなり、ゴール下の決定力がアップ!
ウィザーズはプレシーズンゲームの初戦でネッツと対戦。ブラッドリー・ビールとラッセル・ウェストブルックの新たなデュオは揃って欠場したが、NBA2年目のシーズンを迎えた八村塁は先発出場し、23分の出場でチームトップの18得点を挙げる活躍を見せた。
八村は昨シーズンと変わらず、センターのトーマス・ブライアントとインサイドでコンビを組むパワーフォワードとして先発出場。見どころはスモールラインナップを敷くネッツのエース、NBAでも最も高い得点能力を誇るケビン・デュラントのマッチアップだ。昨シーズンを全休したデュラントにとっては1年半ぶりの実戦、なおかつネッツでの初戦とあって、自分の力を証明すべく100%の力で攻めてきた。八村はフットワークを生かしてチェックに行くのだが、それを上回るデュラントが次々とジャンプシュートを沈めていく。もっとも、このデュラントはどんなディフェンスの名手をもってしても止められなかっただろう。
スイッチしてカイリー・アービングと1対1になる場面もあった。ここも八村はしっかりと寄せてコンテストに行くのだが、デュラントと同様に選手としての力をここで示したいアービングはタフな状況でも涼しい顔でシュートをねじ込んでいる。
NBAを代表するスコアラーを止められなかった八村だが、オフェンスで挽回する。昨シーズンもビール不在の状況が多く、八村はエースの自覚を持って積極的にアタックしていたが、ペイントエリアでの接触を受けながらのシュートはなかなか決められなかった。しかし今オフによほどフィジカルを強化したようで、上半身が一回り大きくなっている。その効果は早速発揮され、相手ディフェンスが待ち構えるゴール下に飛び込み、競り合いながら放つシュートを高確率で決めていった。
ハイライトシーンはオフェンスの局面でのデュラントとの1対1だ。味方のシュートがリングに弾かれたところで、デュラントにボックスアウトされながらも身を乗り出してボールをティップして奪うと、そのままダンクを叩き込む。また左右のフェイントで揺さぶってからのシュートフェイクでデュラントを飛ばし、ファウルを引き出すバスケット・カウントも記録。またアービングを相手にポストアップで押し込み、ヘルプに飛び込んだ相手のセンターをポンプフェイク一発でかわしてのダンクもあり、やられた分はきっちりと取り返している。
ここで良いリズムに乗れたことで、アウトサイドのシュートも決まった。結果、フィールドゴール16本中7本成功、3ポイントシュートは4本中3本成功と上々の出来だった。
ビールとウェストブルックの不在で多くのチャンスが回ってきており、ベストメンバーになれば八村のシュート試投数は減るだろうが、同時に彼らがコートに立つことで八村への警戒は薄まるし、イージーシュートのアシストも増えるはず。2年目の八村にはさらなる活躍を、そしてウィザーズには東地区の台風の目となることを期待したい。