守備で試合に影響を与えられる選手を重視した編成に
来シーズンからレブロン・ジェームズが中心になるレイカーズ。目標に掲げる優勝を実現するには、王者ウォリアーズを打ち破らないといけない。
ここ4年で3回優勝しているウォリアーズはステフィン・カリー、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンという4人のオールスターを擁しながらも毎年オフにロスターに変更を加え、年々強力なチームを作り上げている。この夏には、デマーカス・カズンズをミッドレベル例外条項で獲得するというサプライズ補強を行い、早くも来シーズンも優勝候補筆頭、そして3連覇という偉業を成し遂げるのではないかと言われている。
いくらレブロンが加わったとしても、今のレイカーズにウォリアーズを倒せるだけの力があるかは定かではない。ただ、ロブ・ペリンカGMは、ウォリアーズに勝つには彼らと同じスタイルで対抗しようとしても難しいことを理解している。11日の会見でペリンカは「ウォリアーズと同じやり方でプレーするのは罠だ」と語った。
つまり、3ポイントシューターを集めて打ち合いをしても、彼らには適わないということ。昨シーズン唯一ウォリアーズを追い詰めたロケッツは、3ポイントシュート全盛時代を牽引するチームで、優れたシューターを集め、ウォリアーズと壮絶な空中戦を繰り広げている。来シーズンも同様のやり方で王者に挑むのだろうが、結果だけを見れば、その手法でこの4年間ウォリアーズに勝てたチームはいない。
それを理解しているからこそ、レイカーズは守備で貢献できる選手をこの夏に集めている。ベテランセンターのジャベール・マギーは、昨シーズンまでウォリアーズに所属した選手で、インサイドの守りで試合のリズムを変えられる存在。レイカーズと再契約したケンテイビアス・コールドウェル・ポープは、リーグ屈指の2ウェイプレーヤーという評価を得ている。そしてオールラウンダーのランス・スティーブンソンは、マッチアップする相手をありとあらゆる手で苛立たせる『守備職人』だ。
ペリンカGMは、スティーブンソンをブルズ王朝時代のデニス・ロッドマン、レイカーズが2009年と10年に連覇した時代のメッタ・ワールドピースと比較している。今のところレイカーズがスティーブンソンを先発で使うのか、それともセカンドユニットに加えるかは分かっていないが、ペリンカはスティーブンソンに激しいエネルギーで試合の流れを変え、これまでレブロンを相手にやってきたような執拗なディフェンスでデュラント、カリー、グリーンらを抑えつつ、彼らのペースを乱すプレーを期待しているはずだ。
レイカーズがレブロンに続いてスティーブンソンと契約した際には、周囲も驚きを隠さなかった。しかし、ウォリアーズに対するアプローチを変えるならば、スティーブンソンは最高の『ジョーカー』だ。
オフェンスは、レブロンとラジョン・ロンドを軸に展開される。レイカーズの攻撃に厚みが出るかどうかは、ブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール、カイル・クーズマ、ジョシュ・ハートという若手コアの成長にかかっている。
名門復活には避けて通れない打倒ウォリアーズを成し遂げるため、他チームとは異なる手法を選択したレイカーズ。新チームの形が出来上がるには一定の時間がかかるだろうが、ペリンカのシナリオ通りに事が運べば、新生レイカーズは西カンファレンスに大きな風穴を開けられるに違いない。
.@StephensonLance knows how to put on a show! ? pic.twitter.com/heM5P4N2k5
— NBA TV (@NBATV) 2017年12月5日