ジャック・クーリー

ジャック・クーリーの最強ムーブによるバスカンで決着

12月5日、琉球ゴールデンキングスがホームでアルバルク東京と激突。セカンドチャンスポイントで24-8と得意のオフェンスリバウンドアドバンテージを生み出した琉球が87-79で制した。

第1クォーター序盤は互角だったが、そこから琉球は守備でリズムをつかみターンオーバー奪取から今村佳太の3ポイントシュート、ジャック・クーリーがセカンドチャンスから押し込み15-8。藤田弘輝ヘッドコーチが「試合の入りで僕たちが良い形でリズムに乗れて、相手が先にタイムアウトを取りました。あそこで自分たちの流れに乗れました」と振り返るように琉球が主導権をつかみ、27-22と先手を取る。

両チームとも守備を修正した第2クォーター最初の5分は6-6と膠着状態になる。しかし、残り3分から琉球は2度のオフェンスリバウンドで繋いでから岸本隆一がステップバック3ポイントシュートを成功させ、6点リードで前半を終えた。

後半に入っても琉球のペースは続く。特に出だしで目立ったのは並里成で、切れ味鋭いドライブでA東京の守備を切り崩し、クーリーのインサイドアタック、今村の3ポイントシュートを演出するアシストでチームに勢いを与える。さらに琉球は並里を筆頭にガード陣が前から激しいプレッシャーをかけることで、A東京のオフェンスのエントリーを遅らせリズムを崩す。その結果、第3クォーター終盤には14点にまでリードを広げた。

琉球ペースのまま第4クォーターに突入するが、A東京はここから粘りを見せる。インサイドアタックを繰り返し、残り6分半の時点で琉球を5ファウルに追い込みフリースローで繋ぐと、このクォーターだけで11得点を挙げたケビン・ジョーンズの連続得点により残り1分半には3点差とついに1ポゼッションにまで迫る。

それでも琉球は直後のオフェンスで、クーリーがオフェンスリバウンドをもぎ取ってシュートを決める値千金のバスケット・カウント 。一番の勝負どころで相手に絶望を与える大黒柱の最強ムーブを炸裂させた琉球が、そのまま激闘を制した。

満原優樹

「我慢し続けてチームディフェンスを遂行できた」

琉球の藤田ヘッドコーチは「今シーズンで一番、守備のインテンシティが高かった試合。何を止めて、何をあきらめるのかしっかり絞りました。やられた部分もありましたが、我慢し続けて総合的に見るとチームディフェンスを遂行することができました」と勝因を語る。

琉球は水曜ゲームのシーホース三河戦で第3クォーターに20-31と失速して敗れている。しかし、この試合では「してはいけないミスはありましたが、チームで悪い流れを止めました。三河戦はずるずるもっていかれたが、今日どん底に落ちなかったのは良いところでした」と前回の反省をしっかり生かしたのも光った。

この部分については、司令塔の並里成も手応えを語っている「三河戦の第3クォーターは、試合の流れが読めず消極的になっていました。僕がもっとアグレッシブにやればと反省点があったので、今週は意識してプレーできればと思っています」

一方、A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチは「ホームの琉球さんが素晴らしいスタートをきり、我々はディフェンスで止めることができなかった。リバウンドで負けてしまったのが敗因です。ディフェンスリバウンドを取りきれず、同時に1対1のディフェンスで堅実に守れなかった」と敗因を語る。

これでアルバルクは水曜ゲームの富山戦(85-104)に続く大量失点。リーグ連覇の根幹を支えた堅守が崩れるらしくない試合が続いている。今日の試合、どこまで守備を立て直して連敗を止めることができるのか。王者が大事な踏ん張りところを迎えている。