「僕が出ている時間帯はディフェンスの強度を上げなきゃいけない」
「今シーズンの千葉は全員がアクティブです。ディフェンスのところでも昨シーズン以上にプレッシャーをかけられるようになったり、みんなが前から当たることができます。僕はディフェンスが好きなのでやっていてすごく楽しいです」
こう答えたのは千葉ジェッツの指令塔、藤永佳昭だ。アルバルク東京をホームに迎えた水曜ナイトゲームで、千葉は最後までディフェンスの強度を落とさず82-73で勝利した。
藤永がこの試合で最初にコートに送り込まれたのは第1クォーターの残り2分。千葉がリードしているものの、A東京のオフェンスにリズムが出てきた時間帯だ。藤永と言えば気合いのこもったディフェンスで会場を沸かすことができる選手である。
藤永も「僕が出ている時間帯はディフェンスの強度を上げなきゃいけないと思っています」と自身の役割を理解している。175cmと決して大きくはないが、フィジカルとスピードを屈指して相手にプレッシャーをかけ続け、この試合でもA東京の指令塔、津山尚大に対して攻めのディフェンスでショットクロックギリギリまで追い込むと、声は出せないが会場からはこの日一番の拍手が沸いた。
このようにディフェンスのイメージが強い藤永だが、オフシーズンにはオフェンスのワークアウトにも力を入れていたという。この試合のスタッツは2得点1リバウンド1アシストに留まったが、富樫勇樹が目を負傷してコートを離れた時も、藤永がしっかりとゲームメークを行いA東京に逆転を許すことなく、最後までリードを守った。
本人も「オフシーズンの練習の成果が出ているのかなと感じます」と手応えを語るが、課題はまだまだ尽きない。「今日の試合ではコントロールの部分でジョシュ・ダンカンに頼りすぎてちょっとインサイドになりすぎたり、ボールが回らなかった時がありました。そういうところはポイントガードとしてもっとボールムーブをしたり、違うオフェンスを組み立てたりしなければいけません。シーズン終盤に向けて、そういうところを成長していきたいですし、その上で最後に頂点に立てれば良いと思っています」
チームが求めるディフェンスを体現し守備でチームを鼓舞できる藤永が、オフェンス面でも今まで以上に得点力やゲームメーク力が備われば、千葉はより強いチームへと進化する。加入3シーズン目を迎え、指揮官やチームメートからの信頼を勝ち取ってきている藤永。彼の攻守に渡るさらなる成長に期待したい。
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