トム・ホーバス

「2ポイントのパーセンテージを上げたい」

バスケットボール男子日本代表が13日に都内で『アジアカップ2025予選Window2』に向けた直前合宿を公開した。

今回の合宿はロス五輪に向けた最初の一歩となるが海外組は招集できず、さらに4選手(岡田侑大、小酒部泰暉、テーブス海、赤穂雷太)がコンディション不良のため合宿に参加できないなど、ベストメンバーとは程遠い布陣に。

続投が決まったトム・ホーバスヘッドコーチも「オリンピック選手もアウトで、選手が疲れていたり、小さなケガもあって若手が多い。11人くらいしかいないけど我慢」と語った。それでも、フレッシュな顔ぶれが多いことをプラスにとらえている。「初めての選手や2回目の選手が多いです。だから、本当に最初からみたいな感じですがなんか好きです。面白い選手も多いし、みんな頑張っています。自信はあります」

今回のメンバーの特徴はガード陣が多いこと。パリ五輪で先発を努めた河村勇輝やテーブスが不在で、当確なのは富樫勇樹のみという状況だ。ホーバスヘッドコーチは、自身の叱咤激励により選手としての殻を破った河村のように、選手たちの覚醒に期待している。「河村選手は2年前は全然考えてないなかった。でも、彼がすごい勝負(成長)したじゃないですか。 これから誰が勝負するかなと考えています。佐々木(隆成)は速いしし跳ぶし、3ポイントシュートもある。中村(拓人)選手はチェンジオブペースがうまくて、身体も強く、面白いかなと思います。今までこの3年間は海、西田(優大)も少しポイントガードをやったんですけど、力があってディフェンスもできる、スイッチしても全然問題ないガードが面白いかなと思います」

これまでの日本は3ポイントシュートを多投し、トランジションオフェンスを駆使して世界との差を埋めようとしてきた。「オリンピックは3試合で相手はめちゃくちゃ強い。ワールドカップは5試合で相手はまぁまぁ強い。データが少ないじゃないですか」と単純な比較が難しいことを前置きしながらも、コンセプトに大きな変わりはないが、2ポイントシュートの改善を目指したいと語った。

「(パリ五輪は)2ポイントのパーセンテージが足りなかった。ワールドカップはディフェンスが良かったけど、オリンピックは足りなかった。ワールドカップは3ポイントが足りなかったけどオリンピックは良かった。意味が分からないくらい本当に逆になったんです。トランジションディフェンスだけは一緒で良かった。ディフェンスが悪かった理由で、ブラジルがめちゃくちゃアツかった(日本戦で28本中17本の3ポイントシュートを成功)じゃないですか。オーバーリアクションをしたらあまり良くないですけど、ワールドカップの良いところとオリンピックの良いところをちゃんとできるんだったら、世界のトップレベルの相手にも勝つと思います。全部が上手にできれば次のレベルに行くと。これから新しい選手が出てきたら強くなる。本当に楽しみです」

「中村とさっき話をしました。彼はチェンジオブペースが上手で、5対5の時にトップからきれいにペイントに入っていって、ノーマークなのにシュートではなくパスアウトをした。データ的に2ポイントのパーセンテージを上げたいから、自信があるなら打てと言いました」

また、ビッグマンに関しては「ケースバイケース」と言い、その時のチーム状況によって選択を変えていくという。「(渡邉)飛勇はリムプロテクトとピック&ダイブ。川真田(紘也)も身体が強くてスクリーンがうまいからピック&ポップじゃなくてダイブ。二人ともいいけどタイプが違う。(渡邉)伶音はピック&ポップ。若いからまだ(身体が)強くないけどシュートはできるし、リバウンドもできる。(アレックス)カークの強いところを見て、彼のためにこれをやろうとアジャストしていきます」

11月21日のモンゴル代表(FIBAランキング108位)との一戦から、ホーバスジャパンの第2章が始まる。