ヒート

アデトクンボ獲得の可能性を考慮しながらのチーム編成

2014年以来のNBAファイナル進出を果たしたヒートはまだ若いチームで、来シーズンもその躍進を続けることが期待されている。ただ、今オフには決断しなければならない点がいくつかある。その中でも最も重要なのが、オールスターに成長したバム・アデバヨの契約についてだ。

2019-20シーズンのNBAオールディフェンシブ・セカンドチームに選出されたアデバヨは、3年目のシーズンが終わった今年のオフ、ヒートとマックス契約を結ぶことが可能だ。ヒートのパット・ライリー球団社長は「我々も彼も決断を下さないといけない」と、シーズン最後のメディア対応でコメントしている。

ヒートで一時代を築いたレジェンドのクリス・ボッシュは、『Complex’s Load Management podcast』に出演した際、アデバヨと延長契約を結ぶべきと語った。「僕がGMなら今すぐにバムと契約する。何も考える必要なんてない」

ハードワークとチームワーク、ヒートの『カルチャー』を体現するアデバヨは、今シーズンにローテーションプレーヤーからチームの絶対的な主力へと成長し、ヒートをNBAファイナルまで押し上げた。レイカーズとのNBAファイナルで彼が万全のコンディションでプレーできていれば、結果は変わっていたかもしれない。

まだ23歳で、プレーオフを主力として戦う経験も今回が初めて。まだまだ今後の成長は期待できるため、マックス契約での延長契約が相応しいと言える。

ただ、ヒート首脳陣の頭にあるのは2021年のオフにバックスとの契約が満了となるヤニス・アデトクンボの存在だ。このオフにアデバヨにマックス契約を提示して延長契約を結べば、ルーキー契約から新契約に切り替わる2021-21シーズンのサラリーキャップを圧迫する。アデトクンボ獲得に使える資金にも影響を及ぼしてしまう。

それでも、今オフに新契約を提示せずにアデバヨに不信感を持たれるようなことがあっては一大事。ヒートは2つの大きなターゲットを頭に入れながら、難しい決断を迫られることになる。