劣勢でもチームを支える自分らしいプレーを披露
ラスベガスで行われているNBAサマーリーグ。ネッツの一員としてこの大会に参加している渡邊雄太は、前日のマジック戦に続きサンダーとの試合に出場。ベンチスタートではあったがチーム最長の27分のプレータイムを得て、13得点5リバウンド4ブロック2スティールと活躍した。
第1クォーター途中に投入された渡邊は、いきなりヘルプからイージーシュートを狙った相手センターに対しブロックショットに成功。続いてドライブでリムへと突き進んでファウルを誘い、フリースロー2本を決める。さらに速攻からパスをもらって3ポイントシュートを沈め連続得点と素晴らしいスタートを切った。
この時点でチームは16-10とリードしていたが、その後はチームが失速。逆転されて第1クォーターを終えると、その後は終始ビハインドを背負い、第3クォーター途中には最大29点差と突き放されることに。結果的にチームは76-90で敗れている。
そんな劣勢においても渡邉は自分らしいプレーを貫く。相手チームも含めてほとんどの選手がアピールを意識しすぎてワンマンプレーに走る中、ディフェンスでは速攻を防ぐために危険なスペースへといち早く戻り、サンダーのペースを止めようと奮闘。その結果、チームが大敗する中でも渡邉の出場している間のスコアは『+8』で、ネッツで唯一プラスの選手となった。
マジック戦の20分を上回る27分の出場、スタッツは十分だがシュート確率は7本中3本で、もう少し上げていきたいところ。ただし、外で待っていてもボールが出てこないシーンは多々あり、自分のリズムでシュートを打つのが難しい状況ではあった。
それでも、ドラフトで指名されなかった渡邊にとっては、ロールプレーヤーとして自分を評価してくれる球団、そして自分とチームのスタイルが合致している球団にアピールし、契約を勝ち取ることが目標となる。そのためには多くのシュートを決めるよりも自分の持ち味をきっちりと見せることが大事。そういう意味では、外ではきっちりとシュートチェックに行き、ドライブに対してもコースを消してリングに向かわせないディフェンスでは十分にアピールできており、フィジカルでもスピードでも全く見劣りしないのは頼もしい限りだ。
ネッツでの評価が高いことはプレータイムが示しているし、この2試合のプレーが他の29チームに対しても良いアピールになっているのは間違いない。渡邊雄太のサマーリーグは上々のスタートとなっている。