バスケ日本代表が韓国戦を落とす、チームとしての成熟の差を見せ付けられた敗戦に

2018/06/17
日本代表
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文=鈴木健一郎 写真=鈴木栄一

急造チームの『ディフェンスの難』を突かれる

ゼビオアリーナ仙台で行われた韓国代表との国際強化試合の第2戦、バスケットボール日本代表は終盤にディフェンスの難を相手に突かれ、87-99での敗戦を喫した。

前半はニック・ファジーカスと八村塁、日本代表に新たに加わった強力ビッグマンが猛威を振るう。いきなりファジーカスがオフェンスリバウンドを取り、セカンドチャンスから比江島慎のフローターが決まり日本が先制。ファジーカスのスクリーンからズレを生かし富樫勇樹が3ポイントシュートを決め、ここから比江島、馬場雄大、八村とピック&ロールからのアタックで韓国のチームファウルはたちまち4つに。富樫から八村へのアリウープも飛び出し、チームは勢いに乗った。

第2クォーターにはスティールからそのまま走った辻直人が余裕十分の3ポイントシュートを決め、またも走る展開に持ち込んで宇都直輝から八村へとつないでイージーな得点を重ねていく。宇都は自らのドライブで中央に割って入り得点、インサイドアウトのパスを受けた比江島の3ポイントシュートで35-25と2桁のリードを奪った。

ところが、ここから韓国の逆襲が始まる。ゾーンディフェンスで日本のオフェンスのリズムを狂わせ、フリースローと3ポイントシュートで追い上げる。インサイドの帰化選手ラトリフ・リカルドの得点は11と伸びなかったが、他の出場9選手が全員得点、アシストでは日本の10を上回る13と、効率の良い攻めを止められずに44-43と1点差にまで詰め寄られて前半を終えた。

試合展開に応じたアジャスト能力の差で韓国が上回る

第3クォーターも両チームが点を取り合い、リードチェンジを繰り返す展開に。ラトリフのゴール下を太田敦也が許さず、リバウンドを取ったファジーカスのタッチダウンパスから馬場がレイアップねじ込む、ゾーンディフェンスからロングパス1本の速攻で八村が余裕のダンクを決め、ドライブでゴール下まで持ち込んだ比江島が八村にさばいてイージーシュートと、オフェンスで良い形を何度も作り出すが、ディフェンスが引き締められず均衡を打開できない。

67-69とビハインドを背負って迎えた第4クォーター、抜け出したのは韓国だった。きっかけは八村の個人ファウルが3つとなり、プレーの強度を落とさざるを得なくなったことだ。これでディフェンスとリバウンドの強度が落ちると、韓国はそれまで目立たなかった帰化選手ラトリフにボールを集めて攻めさせた。

またファジーカスのスピードも狙われた。ファジーカスは長い距離を懸命にハリーバックするディフェンス意識の高い選手だが、短い距離をクイックで詰めるのは決して得意ではない。ここをスコアラーのキム・ジュニルに突かれた。ファジーカスとのマッチアップで、その長い手の届かないミドルレンジから立て続けに4本のジャンプシュートを決られ、残り5分半の時点で73-84と突き放される。

ヘッドコーチのフリオ・ラマスはこの時点で23分とプレータイムが長くなっていたファジーカスをあきらめ、竹内譲次と八村のフロントコート・コンビで勝負に出るが、この時にはラトリフが手の付けられないほど調子に乗ってしまっていた。辻が3ポイントラインの外でファウルを誘いフリースローを3本沈め、八村もインサイドで得点するが、強引に攻め込んだラトリフにバスケット・カウントの3点プレーを献上してしまい点差を縮められない。

悔しい敗戦に八村は「チームのまとまりもまだまだ」

80-93と13点ビハインドの残り2分半からは富樫に代えて比江島をポイントガードとして起用。辻と古川孝敏のシューター2人との同時起用で最後まで勝利の意欲を見せたが、この組み合わせも韓国の激しいディフェンスの前に見せ場を作り出せず。日本代表は最終スコア87-99で敗れ、国際強化試合での連勝はならなかった。

「対応されたことに対応できなかった。韓国も身体を張って頑張ってきたので、そこで負けてしまいました。チームのまとまりもまだまだです」とは試合後の八村の弁。韓国は複数の主力を欠く布陣で第1戦を落としたが、昨年のアジアカップで日本を破った時にも見せた試合中のアジャスト力、試合巧者ぶりをここでも発揮。苦しい時間帯を耐えて急造チームの弱点を突いた。

インサイドのタレント力は十分なレベルになったとはいえ、それだけで勝てるほどアジアは甘くない。韓国は東アジアの強豪としての力を十分に見せ、日本にとっても収穫と課題が明確に出た2試合となった。「99失点は流石に勝つためには多すぎる」とラマスは言う。「ディフェンスの部分で2つ3つの課題は残った。もちろん12日間で十分修正はできると思う。改善点はいろいろあるので、そこを頑張ってやっていく」