『全国学生フリースローチャレンジ』は新型コロナウイルス感染症の影響で全国大会の中止が続く夏に、学生プレーヤーがチームとして何かに取り組み、ソーシャルディスタンスを保ちつつ全国のライバルに挑戦できる場を提供したいとして企画され、日本バスケットボール協会の主催によりこの8月に行われた。このチャレンジに挑戦した川崎ブレイブサンダースは14本と物足りない結果に。それでも、青木保憲が何気なく発した「試投数は1番じゃないですか? 」との言葉通り、試投数は44本と最多を記録した。参加した辻直人と青木にフリースローチャレンジを振り返ってもらった。
14本の成功に終わるも「攻めた結果」
――あらためて、『全国学生フリースローチャレンジ』をやってみての感想をお願いします。
青木 試投数を上げるとなって、結構きつかったです。
――最初から試投数を狙っていたのですか?途中で1本足投法になっていましたが。
辻 いや、勝ちにいきましたよ。勝ちにいったんですけど、そのために試投数を増やそうと話していて、どんどん趣旨がずれていった気がします。ソーシャルディスタンスを守りながら打たないといけないので、スピードに乗ったままストップするとバランスが崩れるので一本足になりました。でも途中で勝てないと思い始めて、それで違う路線に行っちゃったかなと(笑)。
――厳しい結果に終わり重い空気の中、青木選手はよく「試投数は1番じゃないですか?」とポジティブな言葉が出ましたね。
青木 ボケたつもりだったんですけどね……。
辻 ボケかどうかも分からんわ。
青木 試投数を上げないと勝てないなと思って、やっていくうちにどんどん早くなって。成功した本数があの本数だったのでちょっとでもポジティブなことを言わなきゃと思い。
――この結果を見た学生たちに悪い影響を与えたのではないでしょうか?(笑)
辻 1つ新しいことをすると批判が出てくると思う。それを承知の上で新しいことをやっていかないといけない。片足で打とうぜとは言ってなく、みんなにどんどん伝染していった。あれはあれで『ONE TEAM』な姿を見せることができました(笑)。
青木 一体感はありました。
辻 僕らがやる直前に千葉(ジェッツ)が最多を出しました。それを抜くために勝ちにいった、攻めた結果です。
青木「自信を持って、チームの優勝に向けて力になれる」
――チャレンジは残念な結果に終わりましたが、新シーズンへの自信はいかがでしょうか?
辻 今シーズンはすごく調子が良いです。自信を持ってやれているのが本当に何シーズンぶりかと思うくらい、強気な自分を取り戻せている感があって自分自身に期待が持てるシーズンだと思っています。最後の最後、ファイナルで自分がファイナルMVPを取って優勝している姿がすでにイメージできているので楽しみにしていてください。
青木 あまりメンバーが変わっていないのもあり、昨年やってきたバスケの精度が高くなっているという手応えは得ています。ファンの方にも期待してほしいです。昨シーズンまでの自分は、始まるまでに期待と不安が入り混じっていた部分がありましたが、成長が実感できてプレシーズンでも手応えを掴んでいるので、自信を持ってチームの優勝に向けて力になれると思っています。
――頼もしい言葉が出ましたね。ちなみに青木選手は副キャプテンに慣れましたか?
青木 まだやれている感はないです。
辻 特にこれといったことはしてないと思います(笑)。もうちょっと発言なり、もう一枚殻を破ってほしい。今はまだ篠山(竜青)さんの影に隠れています。
――辻選手はアドバイスをしたりしないのですか?
辻 聞かれたら言いますけど、聞かれなかったらあえて自分からは言わないです。頑張ってるし、生き生きとしてるから問題はないと思いますが、副キャプテンとしては特にこれといって何もやってないです(笑)。
――そこ強調しますね(笑)。
青木 これは周りが感じることだと思うので肝に銘じます。副キャプテンってなんぞやという正解はまだ見つかってないですけど、チームメートを含めて、ファンの方にも副キャプテンになったなというところをお見せしたいです。
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