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「やれることを行なうべきだった」

ヒート一筋で13年プレーしたドゥエイン・ウェイドは、先日ブルズと正式に契約を結び、移籍が成立した。

ヒートの球団社長を務めるパット・ライリーは、移籍成立後、ウェイドの慰留にもっと力を注ぐべきだったと語った。

そもそも、ウェイドがヒートを離れる可能性はほとんどなかったはず。しかし、ウェイドと同様にフリーエージェントとなったハッサン・ホワイトサイドとの交渉を優先するあまり、フランチャイズプレーヤーへの配慮が足りなかったと言わざるを得ない。さらには、金額面でもウェイドの要求を満たしておらず、これで両者は決裂。

ウェイドは愛着あるチームへの残留を検討しながらも、球団側の誠意のない姿勢を受け入れられず、苦悩の末に地元シカゴに戻る決断を下した。

ライリーは『Chicago Tribune』に対し、「ウェイドの移籍は金の問題ではなかった。他の部分が重要だったんだ」と後悔の念を語った。「私が至らなかった。彼はチームの財産で、スターだった。球団の顔だ。もっと言葉をかけ、彼の気持ちを変えるよう努力すべきだった」

もっとも、この懺悔の言葉は、ファン離れを食い止めるため、そしてスポンサー企業に対するパフォーマンスと見る意見もある。口ではウェイドの移籍を後悔していると言うライリーだが、34歳のウェイドに大金を投じることを彼が嫌がった、というのが騒動の発端とも言われている。

いずれにしても、ライリーはウェイドのヒートへの忠誠心を高く見積もり過ぎた。年俸を低く抑えても、このクラブへの忠誠心があるため再契約すると踏んだのだろう。しかし、レブロン・ジェームズ、クリス・ボッシュとのスターチームを結成してから6年、ウェイドは自分の要望を叶えてくれるチームを求め、ブルズ移籍の道を選んだ。

後悔先に立たずとは、まさにこのことだ。

入団してから13年間で3度の優勝をヒートにもたらし、チームへの貢献度は計り知れない。全盛期を過ぎたとはいえ、まだチームにとって必要な選手であったことは間違いない。