実現すればスーパーチーム完成も、キャブズの現ビッグ3崩壊は免れない
来年のオフにフリーエージェントとなる中で最もその去就が注目される一人がラッセル・ウェストブルックだ。盟友ケビン・デュラントがウォリアーズ移籍を決断した後、彼は沈黙を守っているが、フリーエージェントになった際に自身がどう振る舞うかについて考え始めているに違いない。
気が早い話と言うなかれ。シーズン開幕前にサンダーが決断を下し、ウェストブルックをトレードで放出するという可能性もあり、セルティックがその行き先として話題になっている。
また、ここに来てキャバリアーズもウェストブルックの獲得に本腰を入れると噂されている。サンダーは相当な見返りを求めてくるだろう。「最低でもカイリー・アービングかケビン・ラブのどちらか」を要求するはずで、キャブスのNBA制覇の原動力となったビッグ3が崩れることになる。
アービングはキャブス生え抜きの選手で、リーグトップクラスのポイントガード。高い得点力と技術だけではなく、勝てば優勝が決まるウォリアーズとのNBAファイナル第7戦終盤に決勝3ポイントシュートを成功させるなど、勝負強さも合わせ持っている。
ラブはキャブズで本来のパフォーマンスを発揮しきれていないが、インサイドでの汗かき役として存在感を見せ、チームの初優勝に貢献した。
この2人のどちらかを放出してまでウェストブルックを獲得する意味があるかどうかは悩むべきところだろう。しかし、昨シーズンのウェストブルックは、平均23.5得点、10.4アシスト、7.8リバウンドを記録。年間18度もトリプルダブルを達成するなど、まさにキャリア全盛期だ。結果的にステファン・カリーが2年連続のシーズンMVP受賞となったが、対抗馬になれる唯一の存在がウェストブルックだったと言っても過言ではない。
『CBS Sports』は、アービングよりもウェストブルックの実力が上と評価しており、キャブズはトレードを成立させるべき、と、主張している。
仮にアービングとウェストブルックのトレードが成立したら、NBA史上に残る超大型トレードとなる。西からカリー&ケビン・デュラントのウォリアーズ、東からレブロン・ジェームズ&ウェストブルックのキャブズが勝ち上がり、2017年のNBAファイナルで激突するなど、考えただけで興奮してしまう(あるいは、他チームのファンは絶望してしまうだろうか?)。
仮定の話ばかりを積み上げたが、サンダーのサム・プレスティとキャブズのデイビッド・グリフィン、この両GMともに「守りより攻め」の補強を断行する積極的なタイプで、なおかつ決断も早いと来ている。絶対に「ない」とは断言できない話だ。