スポーツにケガは付き物ですが、年齢や競技レベルにかかわらず、できることならケガと無縁でプレーを楽しみたいもの。それでもバスケットボールは激しいコンタクトがあり、急なダッシュとストップ、ジャンプと着地を繰り返すハードな競技です。そんなバスケをケガなく続けるために、ケガの予防や対処の知識を得ておきましょう。スポーツ医学の専門家である近良明医師に、特に成長期にある10代までのバスケ選手によくある疑問に答えてもらいました。皆さんも疑問がある場合はこちらに質問をお寄せください(ただし、痛みや不具合がある場合は早めにお近くの専門医に相談しましょう)。
答えてくれたのは……近良明医師
新潟県新発田市出身。スポーツ医学と肩関節外科が専門の整形外科医として新潟県新潟市に『こん整形外科クリニック』を構える。新潟県バスケットボール協会スポーツ医科学委員長を務める。
[Q]足首の捻挫がクセになっているようです
足首の捻挫がクセになっているようで、頻繁に捻挫をします。このクセを治す方法はありますか?
[A]足関節捻挫がクセになってしまった理由が問題です
足関節捻挫がクセになってしまった、そもそもの理由が問題です。前に捻挫をした時、足関節の靭帯が損傷して修復していなかった場合、また捻挫後に足関節の動きが悪くなってしまった場合、などが考えられます。論文によると足関節靭帯損傷の再発率は56~74%で、またその後遺症で競技継続ができなくなる確率は9%と報告されています。
レントゲン写真やエコーの検査で、単純な靭帯断裂や、剥離骨片付きの靭帯損傷でぐらぐらになっている場合は手術を勧めることもありますが、多くの場合はリハビリを行います。足関節の可動域訓練を行い、また足関節を安定化させるための足関節周囲の筋力訓練も行います。また、正しい足のつき方を覚えることも重要です。