中心選手の吉田と大崎が揃って落選

4月中旬から始動している女子日本代表は現在第4次合宿を行っており、本日メディア向けに練習を公開した。当初集められた52名の候補選手は29名に絞られ、さらに9月のワールドカップを目指すAチーム、8月のアジア競技会を目指すBチームに別れて練習が行われた。

一番のサプライズはこれまで女子日本代表を牽引してきた吉田亜沙美と大﨑佑圭がメンバーが外れたことだ。代表を率いるトム・ホーバスは「いろいろあったんですがコンディションが足りなかった」と2人の落選理由を説明した。

これまで絶対的なキャプテンとして代表を牽引してきた吉田の落選は多かれ少なかれチームの力を下げることになる。「あれぐらいの経験のある、吉田がいないのは残念です」とトムコーチも吉田不在を嘆くも、「今の4人のポイントガードは全然悪くない。逆にチャンスがある」とネガティブに捉えず、下の世代のステップアップに期待を寄せた。

「もし誰かケガ人が出たら次はベンチメンバーが出る。システムは変わらない」と総合力の底上げも狙いとしてある。これは主力選手を負傷で欠きながらも、NBAファイナルまであと一歩まで迫ったセルティックスのようなチーム作りを目指しているという。

3ポイントシュートを多投するスタイルに困惑

WNBA挑戦を断念し、代表活動に専念している渡嘉敷来夢は「調子はこれから上がっていくと思うが、今までやってきたプレースタイルと違う部分が多いので、まだ本調子ではない」と現在の様子を語った。

「トムが求めているスタイルは5番も3ポイントを打つことが普通なので。それが国内でやっていた時はなかったので、今それをアジャストしながらやっている感じです。ゴール下でシュートを打ったり、ジャンプシュートを打つよりも、3ポイントを打っている本数のが多いので」と3ポイントシュートを多投する現在のスタイルに戸惑いを感じているようだ。

女子日本代表は国際強化試合として6月8日にチャイニーズ・タイペイと対戦する。「代表として日本で試合をするのが3年ぶりくらいなので、JXとは違う、日本代表でプレーする自分をファンの人に見せれたら」と渡嘉敷は意気込んだ。

今後も毎月強化合宿を行っていく女子日本代表。トムコーチはBチームからAチームへの昇格を示唆する発言もしており、代表争いはますます激化していくだろう。そしてその競争は、確実にチームの底上げに直結するはずだ。